Record China 2021年12月13日(月) 8時30分
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中米のニカラグアは10日、台湾と断交して中国と国交を樹立した。台湾では「単なる始まり」「あと2カ国も微妙」の声も出た。写真はニカラグア側とのビデオ会談に臨む中国の王毅外相。
中華人民共和国と中米のニカラグアは10日、国交を樹立した。ニカラグア政府は現地時間9日の時点で、台湾との断交と中国の国交樹立を宣言していた。中華民国(台湾)は2016年に発足した蔡英文政権下で、8カ国との国交を失い、国交を維持している国は14カ国になった。台湾では「単なる始まり」「あと2カ国も流動的」との声が出ている。
中国(中華人民共和国)とニカラグアが10日に「中華人民共和国とニカラグア共和国の外交関係の回復に関する共同声明」に署名したことで、両国の国交が樹立された。同声明には、ニカラグアが「中華人民共和国政府が全中国を代表する唯一の合法政府であり、台湾は中国領土の不可分の一部分であることを承認する」などの文言が盛り込まれた。
中華民国を承認する国は、1988年には31カ国あった。しかし2000年から08年までの民進党・陳水扁政権時には23カ国にまで減少した。08年に就任した馬英九前総統は「活路外交」に力を入れ、16年の離任まで“断交”を1カ国に食い止め、退任時の国交維持国を22カ国とした。
しかし再び民進党の蔡英文政権が発足すると、サントメ・プリンシペ、ブルキナファソのアフリカ2カ国、パナマ、ドミニカ、エルサルバドルに今回のニカラグアを加えた中米4カ国、キリバス、ソロモン諸島の太平洋2カ国の計8カ国が、台湾と断交し、台湾と国交を持つ国は14カ国にまで減少した。
台湾メディアの聯合報によると、ニカラグアの断交を受け、馬英九前総統は「これは恐らく、単なる始まりにしか過ぎない」と述べたという。
聯合報はさらに、台湾と断交の恐れがある国として、バチカンとホンジュラスを挙げた。中国とバチカンについては「話し合い」を行っていることがこれまでにも伝えられてきた。聯合報によると、バチカン側は北京市内に大使館を設置してから、バチカンと台湾の関係を話し合うことを求めているが、中国側が「台湾との断交と引き換えに国交樹立」という、これまで通例の方式を主張しているために、状況が進まなくなったという。
ホンジュラスでは、エルナンデス前大統領の任期満了に伴い11月下旬に行われた大統領選で、台湾と断交し中国との外交を樹立すると主張するシオマラ・カストロ氏が当選した。ただし、カストロ氏は大統領選の投票が近づくと、中国/台湾問題についてのトーンが弱まってきたとの指摘もある。カストロ氏は22年1月27日に、同国初の女性大統領として就任する。(翻訳・編集/如月隼人)
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