日本の核政策の真の姿を見極める―中国人専門家

Record China    2021年12月22日(水) 6時20分

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中国共産党系の環球時報は20日、「日本の核政策の真の姿を見極める」とする上海外国語大学日本研究センター主任、教授の廉徳瑰氏の論評を掲載した。

中国共産党系の環球時報は20日、「日本の核政策の真の姿を見極める」とする上海外国語大学日本研究センター主任、教授の廉徳瑰(リエン・ダーグイ)氏の論評を掲載した。以下はその概要。

米上院は18日、オバマ政権でホワイトハウスの司令塔である大統領首席補佐官を務めたラーム・エマニュエル氏を次の駐日大使とする人事を承認した。

エマニュエル氏を次の駐日大使とする人事案の投票では、与党の民主党から数人が反対した一方で、上院外交委員会の筆頭委員であるジム・リッシュ氏ら数人の共和党議員が賛成した。リッシュ氏らが支持する理由は、エマニュエル氏がバイデン政権が検討している「核兵器の先制不使用」政策に抵抗することへの期待だ。

「核兵器の先制不使用」には日本も注目しており、自民党河野太郎広報本部長は7日、米シンクタンクのオンライン会合で、「中国や北朝鮮に誤ったメッセージを送りかねない」と懸念を表明した。松野博一官房長官も「全ての核兵器国が検証可能な形で同時に行わなければ有意義ではない」と否定的な考えを示している。米国が「核兵器の先制不使用」を宣言すれば、同政策を放棄していない相手方を有利な立場に置くことになり、中国や北朝鮮からの核の脅威に対して「核の傘」は無意味になる。

日本の軍事専門家によると、台湾への日米の介入で中国が沖縄の米軍基地に先制核攻撃をするのを避けたい米国にとって「核兵器の先制不使用」宣言は最善の方法だが、中国の極超音速兵器への対処を懸念する日本は、「核兵器の先制不使用」が中国に誤ったメッセージを送ることになると見ている。

このことから、「唯一の戦争被爆国」である日本が採用する非核政策とは、実際には、米国以外の国による核兵器保有に反対するものであることが分かる。米国による核攻撃を受けた国が、米国の「核の傘」に頼り、米国の「核兵器の先制不使用」政策を用いて核抑止を行わなければならないとは、なんと皮肉なことか。

さらに注目すべきなのは、日本がずっと核への衝動を諦めていないということだ。1957年に当時の岸信介首相は「核兵器と名前がつけば憲法違反かというと、憲法の解釈論としては正しくない」と述べ、大森政輔元内閣法制局長官も参議院で、自衛のための必要最小限度を超えない限り、核兵器保有も可能と述べている。

原爆による攻撃を受けたことのある日本は今や、核兵器を製造する技術と能力を持ち、核武装へと向かうかどうかは、日米同盟が日本の安全を効果的に保障できるかどうか、そして米国の「核の傘」が信頼できるかどうかにかかっている。信頼できないと考えるなら、安全保障を口実にして憲法を改正し核武装に向かうだろう。日本はこの口実の下で、敵基地を先制攻撃する能力の強化を検討している。われわれは、日本の核政策に今後、「異常な行動」が発生する可能性について警戒しなければならない。(翻訳・編集/柳川)

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