〈私が見た新疆ウイグル自治区8〉新疆の主要都市は?

小島康誉    2021年12月25日(土) 16時20分

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習近平主席の写真とスローガン「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想の導きの下、中華民族の偉大な復興という中国の夢の新疆の新頁を記すために奮闘!」を背に記念撮影する観光客(新疆博物館にて撮影:筆者)

ウルムチ(烏魯木斉):新疆ウイグル自治区の区都、政治・経済・文化などすべての中心。北京から空路およそ4時間。中国各地から空路が開け、国際線も就航。コロナ前は日本便も。新疆各地への空路も多数。ウルムチとはモンゴル語で「美しい牧場」の意。旧名「油化」から1954年「烏魯木斉」と改称。人口約405万人、漢族が大多数を占めている。産業は石油加工・冶金・化学工業・紡織・機械・建材・食品など。見どころは紅山・国際大バザール・八路軍新疆弁事処旧跡・国際展覧センター・経済開発区・博物館・南山牧場など。市内から見えるボゴダ峰やその中腹の天地は世界自然遺産。

アルタイ(阿勒泰):新疆の北端に位置し、最低気温は零下49.8度を記録したこともあり、10月下旬より4月中旬までは冬季である。産業は石炭・金・漢方薬材など。人口約20万人、漢・カザフ族が中心。見どころはカナス湖・古代岩画回廊など。

シハズ(石河子):ウルムチ北西の荒地を新疆生産建設兵団第8師団が開墾した。清朝時代のラクダ隊用の休憩所が、今では一大産業都市に変貌した。人口約66万人、漢族が大多数。見どころは兵団軍墾博物館・周恩来総理記念碑・王震将軍銅像など。

カラマイ(克拉瑪依):ウルムチの西北に位置する新興石油工業都市。産業は石油・天然ガス・石炭・化学工業・各種建築材料など。人口約49万人、漢族が約8割。見どころは黒油山公園・1号油田・石油地質陳列館・鉱物陳列館・魔鬼城など。

イーニン(伊寧):新疆の西北部に位置するイリカザフ自治州の中心都市。産業は牧畜・鉱業・石炭など。人口約58万人、漢・ウイグル・カザフ族で約8割。見どころは恵遠城・トゥグルクティムール墓・聖佑廟・夏台石人像・格登山記功碑など。

ハミ(哈密):新疆の東の玄関。甘粛省の玉門や敦煌へ通じている。紀元前後より伊吾などと呼ばれ栄えた。産業は石炭・石油・天然ガス・各種金属・ハミ瓜など。人口約67万人、漢族が約7割。見どころは白石頭・鳴砂山・魔鬼城・ハミ王陵など。

トルファン(吐魯番):古来より天山山脈南麓の重要な宿場。ウルムチから近く新疆観光では外せない。夏は50度近くになり、40度以上の日が年に40日ほどある。人口約69万人、ウイグル族が約7割。産業は綿花・ブドウ・機械・観光など。見どころは交河故城・高昌故城(共に世界文化遺産)・カレーズ・火焔山・ベゼクリク千仏洞・アスターナ古墳・ブドウ溝など。

コルラ(庫尓勒):かつては天山北路の宿場町。石油開発指揮部が置かれるなど石油開発の中心として大発展している。人口約48万人、漢・ウイグル族とともにモンゴル族が多く居住。見どころは鉄門関・ボステン湖・市外のバインブルグ草原(世界自然遺産)など。 

アクス(阿克蘇):天山山脈南麓の重要都市。人口約52万人、漢・ウイグル族が大半。産業は電力・製糖・建材・紡織・農業など。クチャを含むアクス地区の見どころは日本人が修復保存に協力したキジル千仏洞・スバシ故城・クズルガハ烽火台(共に世界文化遺産)・清真大寺・クムトラ石窟・天山神秘大峡谷など。

カシュ(喀什):古代よりタクラマン沙漠からパミール高原を越える旅人にとって重要な中継地。かつては疏勒・カシュガルと呼ばれた。大沙漠の両縁の道である西域北道と西域南道が合流する街であり、軍事的にも重要で、中華民国時代には英国ロシアの領事館が置かれていた。人口約71万人、ウイグル族が殆ど。産業は農業・軽工業など。見どころはバザール・民俗街・香妃墓・莫尓仏塔・三仙洞・カラクリ湖など。

ホータン(和田):歴史書に于●(●=もんがまえに眞)の名で登場する西域南道の中心都市。人口約41万人、ウイグル族が殆ど。産業は農業・綿花・絨毯・玉など。見どころは絨毯工場・ラワック仏寺・白玉河など、「五星出東方利中国」錦が発掘されたニヤ遺跡や「西域のモナリザ」壁画が発掘されたダンダンウイリク遺跡は特別許可が必要。ほかにチャンジ(昌吉)を中心都市とする昌吉回族自治州には北庭故城(世界文化遺産)がある。ボルタラ(博尓塔拉)を中心都市とするボルタラモンゴル自治州はカザフスタンと接している。

■筆者プロフィール:小島康誉


浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。
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