Record China 2022年1月4日(火) 9時30分
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中国通信機器大手のファーウェイの2021年売上高が、前年比30%減になる見通しだ。しかし同社は一方で、多くの国と5G関連の契約を獲得するなど、将来への布石は着々と打っている。
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の2021年売上高が、前年比30%減になる見通しだ。しかし同社は一方で、多くの国と5G関連の契約を獲得するなど、将来への布石は着々と打っている。
ファーウェイの郭平輪番会長は12月31日、会社関係者への新年のあいさつの文章で、2021年売上高が前年比約30%減の6340億元(約11兆5000億円)になる見通しであることを明らかにした。郭会長はその上で、「通信事業者向けの業務は安定しており、業務の健全性は向上している。エンドユーザー向け業務は、新たな産業として急速に発展している」と説明した。
郭会長が言及した「エンドユーザー向け業務」の具体的内容は伝えられていないが、同社がこのところ新技術や新概念を相次いで発表している、健康管理に役立つ高度な機能を備えたスマート・ウオッチやスマートハウスなどが念頭にあると考えられる。
ファーウェイはまた、多くの国あるいは多くの国の企業と、5G技術に絡む契約を多く獲得している。ファーウェイは過去数カ月内に、確認できただけでもアルジェリア、ブラジル、バングラデシュ、エチオピア、ハンガリー、インドネシア、イラク、ケニア、クウェート、ラオス、ミャンマー、モルディブ、カタール、ロシア、チュニジア、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)の17カ国と5G絡みの契約を締結している。
東南アジアにおけるファーウェイの契約締結先として、まず注目されるのは、インドネシアだ。というのはインドネシアの人口は約2億7000万人と東南アジアで最も多く、ASEAN全人口の4割程度を占めるほどだからだ。
大市場であるインドネシアにおける携帯電話事業業界の牽引(けんいん)役などと称されるインドサットだ。インドサットは12月19日、工業関連、スマート都市建設のインフラ建設のために5Gを投入すると発表した。そして、インドサットが使用してきたのはファーウェイの設備だ。
ただしファーウェイは、同国のもう一つの大手通信事業業者のテレコムサルとの契約は「取りこぼし」た。しかしテレコムサルに対して5G関連の建設事業を提供するのは、同じく中国企業の中興通訊(ZTE)だ。いずれにしろ、インドネシアの5Gネットワーク建設事業には、中国企業が深く関与することになった。
ファーウェイはさらに、バングラディシュのテレトーク社と、同国首都のダッカにおける5Gサービス提供ついて提携した。「5G新紀元」と題して開催されたイベントでは、シェイク・ハシナ同国首相も祝賀のビデオメッセージを寄せた。
ファーウェイが良好な関係を構築した17カ国は、いずれも発展途上国あるいは発展途上国に準じる国に分類される。各国の状況は異なるが、基本的には「将来の伸びしろが大きな国」と考えてよい。
さらに、それらの国は自らの国情により、米国をはじめとする西側諸国の「価値観」を取り入れられない、あるいは部分的にしか取り入れられない場合も珍しくなく、さらにはロシアのように、米国などとは「明確な対立状態」にある国もある。
中国外交の大原則として「平和共存」と「内政不干渉」がある。つまり相手国が中国にとって不利な行動をしなければ、中国は相手国の内政には口出ししない。中国はこの原則に基づいて、カダフィ時代のリビアや核問題で西側諸国と親密な関係を構築し、原油などを購入していた。
ファーウェイにとっては本国の外交方針も、相手国に安心感を与えることで、追い風になっていると考えてよい。(構成/如月隼人)
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