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中国では、広東省広州市における、違法な代理出産業が横行していることに注目が集まっている。名門大学の「美女学生」の卵子は、68万元(約1230万円)で売りに出されていたという。
中国では、広東省広州市で違法な代理出産仲介業が横行していることに注目が集まっている。名門大学の「美女学生」の卵子は、68万元(約1230万円)で売りに出されていたという。
代理出産に用いられる卵子の場合、提供者の容姿や学歴で価格が大きく異なり、最も安価な場合には3万5000元(約63万円)で、中国トップの名門大学とされる清華大学の「修士課程の美女学生」の卵子は、68万元(約1230万円)の高値が表示されていたという。また、販売価格の50%-80%は、仲介業者の「取り分」になる。
仲介業者が集中しているのは広東省広州市で、同市には400以上の業者が存在するという。出産代理仲介業を営む企業で働いていたという人物は、会社は一度摘発されたが、会社を一度清算した形にして別の社名で営業を再開したところ、それ以前よりも繁盛するようになったと証言した。
直接の原因は、新型コロナウイルス感染症の流行だった。それまでは、「代理出産で子が欲しい」と考える人の多くは、合法的で費用も比較的少なくて済む外国での代理出産を選択した。しかし感染症の発生で海外への渡航が難しくなり、生まれた子を何カ月も引き取れないケースが続出した。そのために、注文が広州市内の業者に殺到することになったという。
広州市内で代理出産仲介を営む業者のほとんどは規模が小さく、1年あたりに扱う代理出産が100件を超えるのは1割程度という。仮に、広州市内に存在する業者数を少なめに見積もって390社として、うち10社が年間200件を扱い、残りの業者は50件を扱うと仮定すれば、それでも広州市内で代理出産によって誕生する子の数は、1年当たり2万1000人に達する。
広州市衛生健康委員会の関係者は、違法な代理出産が横行しているとの情報を受け、調査に乗り出したと説明した。同委員会としては「徹底的な撲滅」を望んでいるが、可能な措置は罰金を科すか関係者の医療行為資格証を取り消すことだけで、法律を順守する必要があるので、それ以上の処罰はできないという。
家族関連や遺産相続に特に詳しい曹暁静弁護士は代理出産の問題について、「法律と法律の境界にある」と説明。現行の法律は、正規の医療関係者や医療機関を対象としているため、仲介業者に直接に介入することはできず、規範を示すことができるだけという。また、「代理出産でもよいから子を授かりたい」という人の要求が極めて強いことも、違法行為の横行に拍車をかけている。また、違法行為を行うものにとって、摘発された場合の「コスト」も低いことも、多くの業者が乱立する原因になっている。
仲介業者側は、「ビジネスを行う場所」「代理出産する女性の所在地」「手術などを行う医療施設」を遠隔の地に分散させて、当局の実態把握を困難にする手口を用いる場合もあるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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