1カ月後に迫った北京冬季五輪は「人工雪」頼み、環境への懸念も―海外メディア

Record China    2022年1月7日(金) 22時40分

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北京冬季五輪まで1カ月を切った。スキー競技などの会場となる地域は降雪量がもともと少なく、海外メディアは「ほぼ全面的に人工雪に頼ることになる」と報道。環境への懸念も示した。

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2月4日に開幕する北京冬季五輪まで1カ月を切った。コロナ禍で厳しい規制が続く中、現地では最後の準備作業が急ピッチで進められているが、スキー競技などの会場となる地域は降雪量がもともと少なく、AFP通信は「ほぼ全面的に人工雪に頼ることになる」と報道。環境への懸念も示した。

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AFP通信によると、人工雪は1980年に米ニューヨーク州レークプラシッドで開催された冬季五輪以降、程度の差こそあれ使用されるようになった。だが2月に開かれる北京大会は中国でも特に降雪量が少ない地域で行われるため、人工雪への依存度が高くなる。

大会開催を前に運営側は良質な雪でゲレンデを覆うという膨大で複雑な作業に追われている。ゲレンデでは鮮やかな黄色の降雪機が多数導入され、競技に必要な人工雪を散布。気温や湿度に合わせ自動で造雪を最適化するシステムを採用し、水は地元の貯水池からひかれ、「スノーガン」と呼ばれる人工降雪機約300基により圧縮空気と混ぜられ、空気中に放出されて雪となる。

北京から約80キロ離れた延慶にある国家高山スキーセンターの職員は現地で開かれた報道機関向けのイベントで「雪質を均一に保つことが最大の課題だ」と説明。造雪過程のばらつきにより、「ある場所では硬すぎ、ある場所では軟らかすぎて、選手にとって危険な状態になることがある」と語った。

一方でこうした人工雪は環境の観点から持続可能ではないとの批判も上がっている。運営側は造雪機が再生可能エネルギーで駆動しており、周辺の山の生態系を損なうことなく、使用した水は春の雪解けで地元の貯水池に戻ると説明しているが、専門家は人工雪に頼ることは(環境を大事にする)「グリーン」な大会を目指すという北京の宣言に反すると指摘する。

仏ストラスブール大学のカルメン・デヨング教授(地理学)は、水が少ない地域で大量の電力と資源を使って雪を造ることは「無責任」だと非難。「それなら月や火星でも五輪を開催できる」と皮肉った。(編集/日向)

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