Record Korea 2022年1月7日(金) 20時30分
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韓国の人工衛星用ロケット「ヌリ号」が昨年10月、1回目の打ち上げに失敗した原因は初歩的な設計ミスなどのためだった。写真は韓国の人工衛星用ロケット「ヌリ号」(大韓民国陸軍FB公式アカウントより)。
韓国の人工衛星用ロケット「ヌリ号」が昨年10月、1回目の打ち上げに失敗した原因は、初歩的な設計ミスとこれを発見できなかった検証システムのためだったことが分かった。ヌリ号は今後5回の追加打ち上げが控えており、主要紙は「単純な部品一つも設計から検証まで基本に忠実に」と注文を付けた。
中央日報によると、科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院(航宇研)は昨年12月末、1回目の打ち上げ失敗は、第3段酸化剤タンク内部の固定装置が外れてヘリウムタンクが取れ落ちて内部の構造物と衝突し、亀裂が生じたことが原因であることを明らかにした。
ヘリウムタンクは酸化剤が燃焼するとき、タンク内部の圧力を維持する役割を果たす。だが、第3段タンクの亀裂によってヘリウムと酸化剤が漏洩してエンジンに入る酸化剤の量が減り、このせいで第3段エンジンが予定よりはやく止まってヌリ号が目標の速度と軌道に達することができなかった。
飛行過程を見せるテレメトリデータを分析してみると、打ち上げ後36秒から特異な振動が計測され、67秒で酸化剤タンクの気体圧力が落ち始めた。第1段エンジン燃焼時間が124秒だったので、第1段打ち上げ過程からすでに問題が発生していたということになる。当時の過程を振り返ると、ヌリ号が第1、2段燃焼段階で爆発しなかったことがむしろ不思議なくらいだった。
航宇研によると、第1.2段ヘリウムタンクには何の問題もなかったが、第3段だけに問題が生じたのは酸化剤タンクの構造の違いのせいとされる。第1、2段の酸化剤タンクは細長いシリンダーの形をしているが、推進力が小さな第3段は円筒形をしている。このためにヘリウムタンクを付着する方式で第1、2段と第3段に違いが生まれた。
この過程で飛行中に発生する浮力をまともに計算することができず、第3段ヘリウムタンクが取れ落ちたというのが航宇研の説明だ。結局、タンク固定装置設計過程で初歩的な設計ミスがあり、発射体開発本部内の誰もこのような誤りに気づかなかったという。
中央日報は社説で「ヌリ号1回目の打ち上げの失敗原因が小さな部品の基礎設計ミスだった。このようなミスを検出する内・外部検証システムがまともに作動しなかったというのは深刻な問題だ」と指摘。1986年1月、打ち上げ直後に爆発して乗組員7人全員が死亡した米国のスペースシャトル「チャレンジャー号」の事故も接合用パッキンの一種であるOリングに問題があり、この問題を提起した実務者の意見を無視した意志決定権者の判断がもたらした惨事だったとして、慎重に準備を進めるよう促した。(編集/日向)
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