中国メディアの観察者網は11日、中国本土の女性が台湾人のマナーの良さに感嘆したという話題が中台のネット上で物議を醸していると伝えた。

注目が集まっているのは、山東省から台湾に嫁いだ女性がSNSに投稿した台湾人の素養の高さに感嘆する動画。女性は30代半ばの起業家だといい、動画では「自分は台湾人に教育された」と発言。半年余りの台湾生活で文化的な違いを深く感じ、「私のような山東人はこの地で暴力団のボスのような雰囲気をまき散らしていることを感じた」という。

具体的には「山東人の豪快でおおざっぱで剛直な性格は、台湾人とは大きな違いがある」といい、台湾ではエレベーターに乗る時に自発的に片側に寄って立つこと、エレベーターの中では話をせず静かにすること、ファストフード店では食べ終わったら客自ら食器を下げること、口げんかでも互いを傷つけるようなきつい言葉は使わないことを挙げ、「これらはルールによって強制されたものではなく習慣だ」とした。

女性は「民度が高いと言うこともできるし、生活習慣と言うこともできる」とした上で、「水と土が人を育てると言われるが、こういう環境の中では私が一言二言話すとみんなはすぐに現地の人間ではないと気付く」とまとめた。

この動画が今年1月1日にTikTokに投稿されると、台湾メディアは「本土から来た人妻が驚き！」と題して伝え、台湾のネットユーザーらも「あなたを教育したわけではない。何がみんなのためかということを見せてあげただけ」「台湾人は相手を思いやる。台湾文化は自分勝手にならない習慣を育む」「他者への尊重は自由と民主の社会の体現」などのコメントが寄せられた。

一方、観察者網の記事は台湾のメディアやネットの反応を「誇らしげ」「自画自賛」と皮肉った上で、同じ動画が昨年8月に中国版TikTok「抖音（Douyin）」で先に投稿されていたものの「大した注目を集めなかった」として、そのような動画に台湾人は飛びついているとやゆした。

さらに、中国本土のネットユーザーからは「それだけ？」「特に言うことはない」「現地に迎合することが生存の法則」など冷めたコメントや、「エスカレーターでは片側を空けて歩かずにしっかりと立ち止まって乗ることが推奨されている」とのツッコミも寄せられたと紹介。ほかにも「自分（女性）の民度が低いだけ。山東人を代表しないでほしい」「（女性には）確かに教育が必要だ。中国本土で大した教育を受けていないことは明らか」など、女性への批判の声が上がっていると記事は伝えている。（翻訳・編集/北田）