「代理で食事するプロ」まで登場、ブラインドボックス価格が8倍に―中国

人民網日本語版    2022年1月13日(木) 8時50分

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中国では最近、「代理で食事するプロ」がにわかに人気を集め、供給不足の状態が続いている。

中国では最近、「代理で食事するプロ」がにわかに人気を集め、供給不足の状態が続いている。証券日報が伝えた。

ケンタッキー・フライドチキンがこのほどポップマートとコラボして発売したブラインドボックス付きセットは、主に一線都市と二線都市で販売され、1店舗あたり36セット限定だという。ここ数年はブラインドボックスのコレクションが非常に人気で、このセットも発売されるとすぐに奪い合いになり、1つも買えない状況になった。中古品取り引きプラットフォームの閑魚では、このブラインドボックスに入っているフィギュアのセット(全6種類)が600~800元(約1万800~1万4400円)ほどで売られており、レアキャラの場合は1体が最高800元で取り引きされ、販売価格の8倍になっている。

■ケンタッキーのブラインドボックスはどれくらい手に入りにくいか?

北京市海淀区のケンタッキーの店員は8日、「1店舗に36セットしか入荷されないというのは、1つの店にフィギュアは36体しかないということで、オンラインで販売がスタートすると30分で完売した。再入荷の予定もない」と話した。

同市清河エリアのケンタッキーの店員は、「うちの店はこのイベントに参加する権利がなかった。資格があるのは旗艦店だけだ」と明かした。

6セット購入した張さんは「このブラインドボックスが発売されると、朝いち早く列に並んだ。自分が行った時はまだ10数セット残っていた。もともと1セットだけ買うつもりだったのだが、後ろに並んでいた人が残りをすべて買うと話しているのを聞いて、びっくりして全種類買おうと思い、6セット購入した」と話した。

このほかにもたくさんのマニアがいる。最も代表的なのは、一人の「王者」で、1回に1万494元(約18万8900円)をはたいて106セット買った人がいる。こういう人がいるので、代理で食事するプロが今また話題になっている。SNSで「ブラインドボックスはあなたに、カロリーは私が引き受けます!」とアピールするプロもいる。

さらに見てみると、フィギュアが全然手に入らないのはオフライン店舗だけの話で、中古品プラットフォームにはこのブラインドボックスが多数出回っている。例えば閑魚で大量に売られており、フィギュア1セットが600~800元で売られ、売り手の多くが「在庫はたくさんある」としている。

ある瀋陽の売り手は、「昨日、750元で1セット売れたばかりだ。今残っているのは最後の1セットだ」と話し、ブラインドボックスの調達ルートをたずねると、「ケンタッキーで働いている友人がいる」と答えた。

■老舗ブランドが若返りを図る策略が多いか?

小さなブラインドボックスがこれほど人気なのはなぜか。

新しいタイプの消費に注目するあるアナリストは、「一方で、ケンタッキーがコラボするブランドはポップマートで最も人気のある6大キャラクターの1つのDIMOO(ディムー)で、もともとターゲットが広い。他方で、今回のセットは供給に限りがあり、需要より供給が少ない状況なので、中古市場で自然に価格が跳ね上がった」と説明した。

ポップマートの決算によると、21年上半期にはMolly(モリー)、Dimoo、SKULLPANDA(スカルパンダ)、Bunny(バニー)、TheMonsters(ザ・モンスター)、PUCKY(プッキー)の6種類のキャラクター商品の売上高がいずれも1億元(約18億円)を突破した。中でもディムーは2億500万元(約36億9000万円)の収入があり、モリーの2億400万元を超えて、初めて売り上げがモリーを超えたキャラクターになった。

実は今回はケンタッキーが中国市場で初めて展開したイベントではない。中国市場に進出してから、ケンタッキーはタニシ麺、周黒鴨、串揚げ、肉まん、ザリガニ、炸酱麺に鶏ガラ、ヨモギ月餅、涼茶などのコラボ商品を含む中国風味の商品を次々に打ち出してきた。

西洋式ファストフードの代表格としてのケンタッキーは、百勝中国(ヤム・チャイナ)の最重要ブランドだ。2020年9月10日、同社は香港証券取引市場で重複上場し、上場までの1年間の収入の7割近くはケンタッキーによるものだった。同年6月30日現在、同社が運営するレストラン1万軒のうち、ケンタッキーが6700軒に上った。その上、この2年間、ケンタッキーの店舗数は流れに逆らって増加を続けている。データによると、21年第3四半期(7-9月)末にケンタッキーの営業利益は前年同期比31%減少し、利益率は前年同期の18.6%から12.2%に低下した。

前出のアナリストは、「ケンタッキーを含む大半の老舗飲食品ブランドは、これまでずっと新消費時代における若者向けブランドの打撃を受け、ケンタッキーやマクドナルドのような西洋式ファストフードは地位を脅かす新勢力は登場していないものの、『若返り』を積極的に模索することを差し迫られていた。今回のコラボブランドボックスの販売は新たな試みで、いろいろな見方があるだろうが、マーケティングという面だけから考えると、確かに従来の枠を破ることに成功している」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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