米国のニュースサイトの多維新聞は17日、米共和党のトム・コットン上院議員と民主党のマーク・ケリー上院議員がこのほど、レアアース（希土類）の供給が中断される脅威から米国を保護し、国内生産を奨励し、中国への依存を減らすためとして、国内の軍事企業が中国からレアアースを調達することを禁止する法案を提出したことについて、中国の専門家が「ばかげた理由だ」と反発していると報じた。

記事によると、中国のシンクタンク、中国人民大学重陽金融研究院の上席研究員、何偉文（ホー・ウェイウェン）氏は、中国共産党系の環球時報の取材に応じ、「客観的事実を顧みないポリティカルコレクトネス（政治的な正しさ）の一種であり、中国によって急所を押さえつけられることへの懸念から中国のレアアースを禁止するのは非常にばかげている」との見方を示した。

レアアースは軍事のハイテク化にも欠かせない「戦略物資」となっている。米地質調査所によると、米国が2019年に輸入したレアアースの8割近くが中国から来ている。

欧米諸国で中国によるレアアース市場の独占を懸念する声があることについて、中国外交部の報道官は、「中国はこれまでずっと、開放、協同、共有の方針を堅持しながら国内のレアアース産業の発展を推進してきた。中国は、レアアース資源とレアアース製品で世界各国の正当な需要を満たし、中国経済と世界経済の発展に積極的な役割を果たすことを願っている」とコメントしている。（翻訳・編集/柳川）