日本の「ソメイヨシノ」から済州島の「王桜」に、韓国でサクラ植え替えキャンペーン

Record Korea    2022年1月28日(金) 11時20分

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韓国・済州島にだけ自生するサクラ「王桜」を全土に普及・拡大させるキャンペーンが始まった。現在、済州島を除く各地に植えられているのは日本原産の「ソメイヨシノ」だ。写真は済州島の「王桜」。

韓国・済州島にだけ自生するサクラ「王桜(済州桜)」を全土に普及・拡大させるキャンペーンが始まった。現在、済州島を除く各地に植えられているのは日本原産の「ソメイヨシノ」。2050年までに全国の公園と公共施設をはじめ、街路樹用などとして植え替えることを目指している。

朝鮮日報によると、韓国の東北アジア生物多様性研究所は、韓国全土の市・道に「王桜プロジェクト2050」社団法人を設立し、済州産の王桜の植樹運動を展開すると26日に発表した。同研究所のヒョン・ジンオ所長は「現在、全国で発起人を募集しており、山林庁長の許可を得て法人を設立する予定」と述べた。

ヒョン所長は「済州島以外の全国に植えられている王桜は、島で自生するものではなく日本が原産の『ソメイヨシノ』であり、これは韓日の研究者によってすでに証明されている」と指摘。「(済州島の)漢拏山に自生する王桜を繁殖・増殖し、全国に植えるキャンペーンを展開する」と説明した

済州島の王桜はフランス人のカトリック神父で島に赴任したエミール・タケが1908年に漢拏山の観音寺に自生している王桜を発見し、欧州の学界に報告したのがきっかけで世界に知られるようになった。

しかし、王桜は1901年、東京・上野公園で先に発見されていた。日本の王桜は「ソメイヨシノ」と呼ばれる。日本の学界ではこのサクラの自生地を探したが、見つからなかった。タケ神父が発見した王桜の標本を入手したドイツ・ベルリン大学のケーネ博士は、二つの木が全く同じ王桜で、その自生地は済州島であると1912年に発表し、「韓日王桜戦争」がぼっ発した。

その後、日本が王桜の自生地を「済州島」と認めないため、論争が続いた。しかし、2018年、韓国山林庁の国立樹木院がゲノム解析(遺伝情報の解読)を実施して遺伝情報を完全に解読し、済州島の王桜と日本の王桜は異なる種だということが確認され、論争に終止符が打たれた。

ゲノム解析によって、済州島の王桜が島に自生するエドヒガンを母系、ヤマザクラを父系として生まれた自然交雑種であることが判明。さらに国立山林科学院は漢拏山を中心に済州地域の173か所で194本の王桜が自生していることを確認した。一方、日本の王桜はエドヒガンを母系、オオシマザクラを父系として数百年前に人口交配によって作られた雑種であることが明らかになった。(編集・日向)

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