2022年2月2日、華字メディア・日本華僑報網は、北京五輪で大会3連覇を目指すフィギュアスケートの羽生結弦の中国における人気ぶりについて紹介する記事を掲載した。

記事は、日本メディアが羽生について中国にも多くのファンがおり、日中間の対立から普段は厳しい表情を見せる中国の政府高官も羽生にエールを送るなどその影響力は非常に大きいとし、新型コロナにより現場での観戦ができないことにファンたちが失望する一方で、羽生の一挙手一投足にはなおも熱い視線が注がれていると報じたことを紹介した。

その上で、羽生のファンになって5年という天津在住の大学生が羽生の魅力について「かわいらしくて朗らかで、他国の選手ともフレンドリー。幼い頃から金メダルを取る目標を諦めなかった精神は私に大きな勇気を与えてくれている」とし、北京五輪のボランティアには落選してしまったので、4回転アクセルジャンプの成功をテレビの前で祈りたいと語ったことを伝えた。

また、羽生の愛称が「ゆづ」であることから、中国では羽生が「柚子」という愛称で親しまれていると説明。過去にはあまりの人気ぶりに「羽生結弦」「羽生柚子」といった商標の登録を申請する行為も見られたとし、「くまのプーさんのぬいぐるみを受け取った時の笑顔が素敵。演技中と演技後の『ギャップ萌え』もいい」という広東省の会社員女性の話も紹介している。

記事は、中国のネット上では「羽生結弦は好きだけれど、彼の国は嫌い」といった発言も見られるとする一方、昨年10月には北京に行って観戦できなくなった日本のファンによる「中国の皆さん、ゆづのことをよろしく」というSNS上の発言に中国外交部の華春瑩（ホア・チュンイン）報道官が「私たちに任せて！」と反応する一幕が見られるなど、羽生の存在やスポーツを通じて日中両国民の心の距離が縮まることに期待する中国の外交関係者もいると伝えた。（翻訳・編集/川尻）