2022年2月14日、韓国・東亜日報は「サムスン・ソウル病院に入院中の朴槿恵（パク・クネ）前大統領が退院後に住む予定だという大邱（テグ）市達城（タルソン）郡の住宅に、支持者の訪問が相次いでいる」と伝えた。

達城郡は1998年に国会議員補欠選挙に当選し政界入りした朴前大統領の「政治的故郷」で、大邱の中心部から車で40分ほどの距離にある。朴前大統領は今月22日前後に退院した後、ここに入居する予定だという。住宅は2～4メートルの高い塀で囲まれ、鉄製のフェンスや監視カメラなどセキュリティーも完備されている。町には「故郷にお越しになったことを心から歓迎します」「朴槿恵大統領、立党せよ」など歓迎の横断幕が張られているという。

普段は他地区から訪れる人もいない静かな町だが、最近、入居の契約が交わされたとの話が広まり、支持者がひっきりなしに訪れるようになったという。取材した13日午前も100人以上が集まっていたといい、門の前で記念写真を撮る人、家の中をのぞき見ようとガードレールの上に乗る人、生配信をするユーチューバーの姿も見られたという。ある支持者の女性（63）は取材に対し「これ以上苦しまないで、ここでゆっくり休んでほしい」とコメントしている。

また、周辺では警察と郡の関係者が違法駐車の取り締まりを強化しているが、ある住民は「朴前大統領が来る前からこんなに人が集まるようでは、今後が心配だ」「郡と警察が対策を取ってほしい」と懸念を示したという。

この住宅は自動車部品会社の社長が建てたもので、敷地は1676平方メートル、建物は地上2階・地下1階建て、延べ面積712平方メートルで、8部屋ある。この社長が朴前大統領のために建設したという説も出ているが、ある住民が「奥さんの療養のために建てたが、住む必要がなくなり、売りに出したと聞いている」と話している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「すごい大邸宅だね」「1人で暮らす家にしては広すぎる。もっと素朴な家で、清廉な姿を見せてもらいたい」「こんな大邸宅に住む必要がある？。質素に暮らせば国民も眉をひそめないのに。監獄で何を考えて過ごしてたんだ？」「刑務所に入っているべきなのに」「大統領経験者たちは、不正腐敗で監獄に入っても無事に出てこられる。政治家の腐敗は日常なんだな。悲しいことだ」など否定的なコメントが寄せられている。

一方で「女王の帰還。体を大切に」「余生をのんびり過ごしてほしい」「大邱市民です。朴前大統領、応援してます。大邱に来られたら駆けつけます」「支持者なら押し掛けないでゆっくり休ませてあげなよ」などの声も上がっている。（翻訳・編集/麻江）