<日中100人 生の声>コロナ禍に負けず、ピンチはチャンス!―朱峰玲子 経営者

和華    2022年2月17日(木) 23時20分

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2020年1月10日~13日、私は仕事のため、武漢に出張していた。その時は今日までの1年半の間に世界が一変するなどとは想像もできなかった。写真:武漢へ医療物資を寄付。

2020年1月10日~13日、私は仕事のため、武漢に出張していた。その時は今日までの1年半の間に世界が一変するなどとは想像もできなかった。

コロナ!この人類の大敵は私たちの生活をめちゃくちゃにした。

1月23日、故郷の武漢がロックダウンされ、コロナ被害の悲鳴を受けた日本湖北総商会は在日中国系団体や個人と一丸になって、41日間で、おおよそ1億円の緊急医療物資を集め、専用機で日本から故郷の52軒の病院へ寄付した。

そして4月8日、絶対に忘れられない日がやってきた。
武漢、ロックダウン解除!……嬉しい
東京、緊急事態宣言発令!……悲鳴
私の来日35周年記念日!……お手上げ

日本のコロナ蔓延状況は日々厳しくなり、私たち日本湖北総商会は再び行動を起こした。3月15日から中国各地からの緊急医療支援物資を日本へ輸入する手はずを整え、わずか1ヶ月間で東京都、厚生省へマスクをおよそ25万個、防護服を1000枚ほど寄付した。

東京都に医療物資を寄付。都庁職員と一緒に

その時は、この戦いがこれほど長い期間になるとは思いもよらなかった。時間の流れに伴い、日本の経済は大きな影響を受け、わがエム・エイチ・グループ社も例外ではなかった。わが社の主要業務はモッズ・ヘア美容室の経営である。この1年半で4度の緊急事態宣言、蔓延防止命令、時短業務などを受け、結果的に業績は半減、損益も赤字に陥った。

この厳しい状況のなか、当社グループはまず「社員の安全」、「お客様の安心」、「事業の安定」という指針を打ち出し、1回目の緊急事態宣言時には直営店の休業に踏み切った。その後、サロン全般のコロナ予防措置を実施し、万全の体制を持って開業した。お客様の厚い信頼は私たちの支えになり、早い段階でサロンの売り上げは落ち込んだ3割から7割まで回復した。

いまは自宅で過ごす人が増え、サロンの売り上げ減少の一方でオンライン通販は業績が上がっている。そこで、わが社は43年以上美容業界で築いてきたノウハウを生かす新しいヘアケア製品の開発、通販強化にチャレンジし、今年6月、会社のオンライン通販システムを一新して事業配分を見直した。

また、当社の100%子会社である株式会社ライトスタッフ(本社は東京都渋谷区。以下「RS社」)は新たな業務領域を開拓し続け、昨年、理美容業界でいち早くキャシュレス事業を手がけ、JCBと提携して「POICHI」サービスを推進することでコロナ禍にも関わらず収益を上げた。

今年1月にENECHANGE株式会社(本社は東京都千代田区、東証マザーズ:4169)と理美容業界における持続可能な環境経営支援を目的とした業務提携契約を締結し、「社会全体でのSDGs達成と環境経営の推進」に向け、再生可能エネルギーの活用と拡大を通じて理容室・美容室の環境経営を支援する施策を共同で実施している。

上記の事業計画を更に実現できる環境を築くため、2月に弊社は株式会社ティビィシィ・スキヤツト(東京本社は東京都中央区、東証 JQS:3974)との間で資本業務提携に係る基本合意書を締結した。

その背景には、当社グループが日本国内及び海外に「モッズ・ヘア」サロンを展開しており、直営サロンの 運営並びにフランチャイズ展開を担う美容室運営事業、「モッズ・ヘア」の起源であるヘアメイク事業、そして、これらの事業展開を通じて創出されるスケールメリットをサービス化した美容室支援事業等を行っていることがある。

スキヤツト社は、「ICT(情報通信技術)を活用した中小企業の経営支援による社会貢献」を企業理念として、美容業界向けにPOSレジ顧客管理システムを販売したり美容予約システムなどの各種WEBコンテンツサービスを提供するなど、美容サロンの経営のサポートを行っている。資本業務提携により、両社が有するノウハウを活用し、DXへの取り組みによる新サービスの開発と提供を促進し、理美容業界における持続可能な環境経営支援(SDGs)として環境配慮型メニューの普及を進めることができる。5月、理美容業界において初のSDGsをテーマとした「一般社団法人理美容SDGs推進協会」を立ち上げ、環境重視のサロン展開をお手伝いできる仕組みを確立した(https://www.ribiyou-sdgs.jp/)。


当協会では、理美容業界におけるSDGsの達成、並びに環境経営及び経営のDX化を普及・啓発・推進することを目指す。協会理念にご賛同いただいた理美容室サロンなどに対してENECHANGE株式会社が環境負荷の低い再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替えなど、導入支援事業において協業する。この趣旨にご賛同いただき、前述の当社グループと資本業務提携を締結している株式会社ティビィシィ・スキヤツト、世界最大級の化粧品メーカーである日本ロレアル株式会社、大手美容ディーラーの株式会社ガモウ、株式会社きくや美粧堂、株式会社ダリア他、理美容業界の中核である企業様に、設立時に正会員として参画いただいている。

「ピンチはチャンス」この言葉の本当の意義を理解し、当社グループはこれからもコロナ禍に負けず、世界の美容ブランドを守りつつ新しい事業も開拓していきたい。

※本記事は、『和華』第31号「日中100人 生の声」から転載したものです。また掲載内容は発刊当時のものとなります。

■筆者プロフィール:朱峰玲子(あかみねれいこ)


株式会社エム・エイチ・グループ(東証: 9439)代表取締役兼執行役員社長、一般社団法人日本湖北総商会執行会長。1985年来日。その後、IT技術を身に付け、株式会社シーボン入社、同社の東証1部上場に貢献し、取締役となる。58歳で再チャレンジ、フランスブランドモッズヘアを経営する現グループに入社、事業の再建を担った。

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