Record China 2022年2月24日(木) 8時20分
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20日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「原子力発電は気候の保護にメリットがあるのか」とする文章を掲載した。
2022年2月20日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは「原子力発電は気候の保護にメリットがあるのか」とする文章を掲載した。
記事は、昨年11月に発表されたグローバル・カーボン・プロジェクトの報告書で、2021年の二酸化炭素排出量が対前年比で4.9%増加する見込みだとの数字が示されたことを紹介。二酸化炭素排出削減の成果がなかなか現れない中で、多くの人が「環境友好型エネルギー」として原子力発電の拡大を求める声をあげているとした。
その上で「しかし、原子力発電も温室効果ガスを排出する。どんなエネルギーも温室効果ガスを全く排出しないということはほぼあり得ない」と指摘。原子力発電ではウランの抽出と輸送、加工過程、発電所の建設過程、廃棄物の保管といったプロセスで温室効果ガスが出るとし、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2014年に発表した報告によると、1キロワット時発電するごとに3.7〜110グラムの二酸化炭素が排出されると伝えた。
また、原子力発電は石炭や天然ガスよりは環境にやさしいものの、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーに比べると大きく劣り、1キロワット時の二酸化炭素排出量は太陽光の約3.5倍、陸上風力発電の13倍、水力発電の29倍にも上るとしている。
さらに、建設には長い時間と大きなコストがかかると指摘し、世界原子力産業現状報告(WNISR)の作者マイケル・シュナイダー氏の話として、原子力発電のコストは風力や太陽光発電のおよそ4倍、発電所建設にかかる時間は5倍に当たるため、10年以内に温室効果ガスの制御が求められる中では原子力発電は大きな役割を発揮できないと論じたことを紹介した。
このほか、夏になると河川の水位が下がって核反応炉の冷却が十分にできなくなることで一部の原子力発電所が発電量削減または発電の完全な稼働停止を強いられることになるほか、シュナイダー氏が「最も重要なのは、市場における原子力発電の重要性が低下しており、原子力発電の復権はおぼつかない点だ。実際、原子力工業は長年縮小し続けており、この20年で95基の原子力発電所が送電を開始した一方で、98基が閉鎖された」と語ったことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)
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