Record China 2022年2月23日(水) 8時20分
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中国メディアの外灘画報は22日、北京五輪でフィギュアスケートの羽生結弦が大きな注目を集めたことについて「羽生を称賛し終えたら、その他の『敗れ去る者たち』に対しても寛容さを持とう」とする文章を掲載した。
中国メディアの外灘画報は22日、北京五輪でフィギュアスケートの羽生結弦が大きな注目を集めたことについて「羽生を称賛し終えたら、その他の『敗れ去る者たち』に対しても寛容さを持とう」とする文章を掲載した。以下はその概要。
北京五輪フィギュアスケート男子シングルで前回チャンピオンの羽生は4位に終わったが、試合後には天地を埋め尽くすほどの報道がなされ、みんなの視線が羽生一人に集中した。中国中央テレビ(CCTV)の解説者が羽生を形容する際に用いた表現が、元は1937年の南京防衛戦の総指揮官を形容したものだったことから物議を醸すというアクシデントもあった。
五輪出場決定から棄権の可能性、さらにはショートプログラムの失敗、そしてフリーでのクワッドアクセル認定と、羽生に関する事柄一つ一つがメディアから大きく注目された。われわれは羽生の姿を通じて「敗者も王となりうる」事例を見るに至ったが、羽生以外の敗れ去ったアスリートたちは同じような理解と支持を得られていない。
例えば、米国生まれで中国に帰化した20歳のフィギュアスケーター朱易(ジュー・イー)だ。今大会の女子フリーでは精彩を欠き何度も転倒、ミスをし、滑走後には無数の人からの攻撃を浴びた。批判の多くは朱が帰化選手であること、そして「父親が科学者だから選ばれたのではないか」といった内容だ。どうして彼女に対しもっと寛容になれないのか。彼女はきっと今回の失敗から教訓を汲み取るはずだが、批判や攻撃によって受けたダメージは図り知れない。
世の中の分裂が激化し、言論が日増しに過激化する中、五輪はなおのことわれわれを戦争、政治、ヘイトから引き離し、スポーツを純粋なスポーツに回帰させる貴重な機会だ。五輪を通じて市民のスポーツ熱が高まるのは当然良いことだが、普段はスポーツに触れない多くの人は4年に1度の五輪を見る際、どのような視点でスポーツを見るべきかということを理解できていない。
芸能人のファン的思考で外国人アスリートに熱狂したり、中国語のレベルや国籍がはっきりしているかどうかで帰化選手の優劣を判断するというのは、五輪やスポーツを鑑賞する姿勢としては不適切だ。五輪の主旨は融合の促進であり、ヘイトや盲目的な崇拝を推進することではない。羽生も朱も同じように喝采を得るべきだ。(翻訳・編集/川尻)
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