2022年3月1日、中国メディア・封面新聞は、コメディアン出身であるウクライナのゼレンスキー大統領の支持率が、ロシアによる侵攻以降急上昇していることを報じた。

記事は、コメディアンから大統領への転身を志してからわずか4年で念願を実現させたゼレンスキー大統領が、就任4年目に「運命の十字路」に立たされたとし、ロシアによるウクライナ侵攻に直面する事態となったことを紹介。非常事態下にあるウクライナの命運はこの「コメディアン」に委ねられているとした。

そして、ロシアによるウクライナ侵攻前には低迷していたゼレンスキー大統領の支持率に大きな変化が生じており、ロシアによる侵攻後の2月末に行われた世論調査では支持率が90％以上に達し、昨年12月に比べて3倍になったことが明らかになったと伝えた。

その上で、支持率が急上昇した大きな理由について、ゼレンスキー大統領がSNSによる情報発信をうまく利用して国民の支持を取り付けたと分析。ロシアによる侵攻を受けて早々に首都キエフから脱出し、国外逃亡したのではないかとの憶測が飛び交っていた2月26日、SNSにて自身がキエフにとどまっており、ロシアに対して徹底的に抗う姿勢を示す動画を公開したことで、国民に「英雄」のイメージを与えることに成功しただけでなく、西側社会の結束強化にも繋がったとの見方を示している。

ゼレンスキー大統領の支持率上昇について、中国のネットユーザーからは「世論調査なんて（ロシア侵攻の影響が薄い）西部で2000人ぐらいに聞いただけじゃないのか。それなら支持率100％だっておかしくないわ」「一般市民の生身の体を盾にして、この格好つけ野郎は地獄に落ちるだろう」「米国は反戦と言いながら戦争物資を送り込んでウクライナを焦土にし、欧州をロシアとの消耗戦の泥沼に引きずり込んで漁夫の利を得ようとしている」「昨日フランスのテレビ局特派員が、ウクライナの現政権は汚職が横行している上、政府の方針に反するテレビ局を閉鎖させたり記者を暗殺したりしているって暴露してたぞ」など、ウクライナやウクライナを支援する西側勢力への嫌悪を示すコメントが多く寄せられている。

また、中には「聞きたいんだけど、毎日テレビの前で演技やパフォーマンスをしていない政治家なんて世界にいるのか？」という疑問を投げ掛けるユーザーも見られた。（翻訳・編集/川尻）