2022年3月2日、韓国メディア・ニュース1は、韓国の新型コロナウイルスの新規感染者数が2日午前0時の時点で20万人を超えたと報じた。

記事によると、韓国では先月から新規感染者数の「ダブリング」（2倍ずつ増加する現象）が続いており、主要防疫指標である「週間実効再生産数（Rt）」も1．4台を維持している。実効再生産数とは、1人の感染者が全感染期間に感染させる人数の平均値で、1未満であれば「流行抑制」、1以上であれば「流行拡散」を意味する。

2月中旬に9万～10万人だった新規感染者数は先週17万人を超え、7日間10万人台をキープした後、2日には20万人に。このような状態が続けば、新規感染者は今週中に20万人台後半まで増加すると予想されているという。

しかし韓国政府は1日から、飲食店やカフェ、医療機関、50人以上の集まりに対し適用していた、防疫パス（ワクチン接種、陰性確認制）を中止することを決定。青少年への適用も中止が決まっており、「新たな変異株が出現しなければ」という前提付きではあるが、事実上防疫パスは廃止された状況だという。

政府はまた、感染者の同居家族について、ワクチン接種の有無にかかわらず自主隔離は不要と判断。現在は、感染判明後3日以内にPCR検査を１回、6～7日目に迅速抗原検査を受ければよいとのこと。

梨花女子大学木洞病院・呼吸器内科のチョン・ウンミ教授は「まだ（流行の）ピークには至っていないが、政府が防疫措置を大幅に緩和したため、さらなる流行が起きる可能性がある」と指摘。高麗大学九老病院・感染症内科のキム・ウジュ教授も、現在の状況を「火に油を注ぐ状態」とし、「新規感染者数はもちろん、死亡者や重症患者も急増するだろう」と警告しているという。

韓国政府は流行のピークを3月上旬または中旬頃と見込んでおり、1日の感染者数も最大35万人まで増えると予想している。また、第20代大統領選挙の投票日である9日には、感染者数が23万人、重症患者が1200人発生すると予測しているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「政府が初期に水際対策をきちんとしなかったから、国民を死地に追いやることになった」「予想ばかりしていないで早く子どもたちの登校をやめさせて」「ワクチンの接種率は96％なのに、韓国人は他国より抗体生成率が低いのか？」「文大統領は歴史的な罪人」「K-防疫は一体何だったの？」「感染者数が100万人を超えたとしても、政権交代のために当日投票しよう」など、政府に対する批判の声が相次いでいる。（翻訳・編集/丸山）