2014年5月26日、米CNN（電子版）は、ヒルトン・ワールドワイド・アジア太平洋地区総裁であるマーティン・リンク氏の「中国人観光客の教育において、ホテルは積極的な役割を果たす必要がある」と題した文章を掲載した。31日付で中国メディア・参考消息（電子版）が伝えた。

【その他の写真】

2013年、海外旅行を楽しんだ中国人観光客は1億人を突破した。この数値は18年には2億人に達すると予想されている。中国人海外旅行者数の驚異的な増加は、中国の中産階級の急増や休暇・有給の充実、ビザ申請を簡素化する国・地域の拡大、目的地を結ぶ航空路線の拡充などに後押しされている。

中国人海外旅行者数が急増する中で、ホテルは積極的な役割を果たすチャンスがある。例えば、モルディブに旅行した場合ならば、ホテルの周辺には美しいサンゴが生息しているため、一部の中国人観光客は記念にこれを持ち帰ろうとするかもしれない。この時、ホテルの担当者は、サンゴが成長するには長い時間が必要で、しかも非情に傷つきやすく、サンゴを自然の状態に留めておくことの重要性を彼らに告げる必要がある。

過去を振り返れば、日本人や米国人が海外旅行を楽しみ始めた時代にも、同じように心を痛めるような状況は存在した。ただし、中国の人口は非常に多いため、海外旅行を楽しむ人数がたとえ1％しか存在しないとしても、その影響は非常に大きく、目立つことになる。

中国人のネット人口はすでに6億1800万人を超えており、ネットでホテルを予約する人がますます増えている。また、団体ツアーよりも個人旅行を楽しむ人々が増加していることもこの傾向に拍車をかけている。

海外でのショッピングは、現在でも中国人観光客の最大の楽しみの1つであるが、見聞を広げたり、異国での生活を楽しむことも中国人観光客の大きな願望になってきている。こうした新しいトレンドや状況に基づいて、ホテルは中国人観光客の文化や社会的背景などを全面的に、より細部まで理解しておく必要がある。さらには、急速に発展する中国観光業界のコントロール方法を理解することは、世界の観光業界全体にとって絶対に必要なことなのである。（翻訳・編集/HA）