苦労して受かったのに…韓国の公務員で若い世代の退職者が増加、その理由は?

Record Korea    2022年3月7日(月) 6時50分

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2日、韓国メディア・毎日経済は「最近になって、若い世代で公務員を辞める人が増えている」と報じた。写真はソウル。

2022年3月2日、韓国メディア・毎日経済は「最近になって、若い世代で公務員を辞める人が増えている」と報じた。

記事によると、韓国では毎年国家公務員採用試験の競争率が上がっているが、同時に20代・30代の若い世代で退職する人の割合も増加している。公務員年金公団によると、2020年には18~35歳の公務員のうち5961人が退職した。この数字は17年の4375人に比べると大幅に増えており、勤続5年以内に退職した公務員の数も、20年には9968人と退職者全体(4万7319人)の21%を占めたという。

その背景には、公務員の保守的で閉鎖的な組織文化が影響しているとのこと。世論調査会社ネクストリサーチが最近発表した「組織文化力測定のためのアンケート調査」によれば、公務員はすべての項目において大企業の職員よりも強い不満を持っていることが分かった。例えば、勤務時間外の業務指示や過剰労働、暴言・暴行など職場でのパワハラについて問う項目では、民間企業が67.2点、公務員は59点を記録。業務時間外にSNSや電話、メールなどで指示を受けた経験については、公務員では半分に近い42.9%が「ある」と回答した。民間企業の場合は26.7%だった。

また、「話の通じない上司がいるか」という質問には、公務員の10人中4人(41.3%)が「いる」と回答し、自身の経験だけを重視して周りの意見に耳を傾けない「老害上司」が多いという不満が目立った。

そして「公務員ならば『ワーク・ライフ・バランス』が保てる」という認識も事実とは違ったといい、公務員の回答者の半分以上(52.1%)が「業務に対するストレスで極度の疲労を味わったことがある」と回答。「仕事と家庭の両立が可能か」との質問に対し「可能」と答えたのは、民間企業の場合10人中6人だったが、公務員は4人のみだった。「業務量の多さと高い難易度のため離職を考えたことがある」と答えた割合も、公務員(36.6%)は民間企業(30%)より6.6%ポイント高かったという。

調査を担当したネクストリサーチのメン・ジンウ本部長は、「公共機関の方が民間企業より『老害文化』がより強いという結果になったが、民間企業も問題が多いことが分かった」とし、「命令に服従させるのではなく、職場への所属感や仕事についての意味を感じさせるなど、絶えず文化を変える努力を続けるべき」と語っている。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「無能な上司は早く退職すべき」「公務員になれば一生楽で安泰だと思ったのに、現実は違うということを知ったんだね」「公務員は一生懸命働いても、仕事が増えるだけで年俸は増えない。昇進を邪魔してくる人もいるし」「下級公務員になったところで、上司にこき使われて終わり」など、公務員の職場環境に同情する声が多く寄せられている。

一方では、「公務員で耐えられないなら、一般企業も同じ」「一般企業のほうが時間外勤務や私的な質問の頻度は高い」「辞めてみたらやっぱり戻りたくなるはず。結局は本人の適正に合った所へ行く」「民間企業への就職経験がある人や、投資である程度成功している人は、出世欲が湧かないから公務員で満足すると思う」などのコメントも見られた。(翻訳・編集/丸山

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