2022年3月3日、韓国メディア・ハンギョレによると、尹錫悦（ユン・ソクヨル）候補と安哲秀（アン・チョルス）候補が電撃的に一本化を宣言したことを受け、すでに投票を終えた在外国民から失望の声が上がっている。

米国中部に住むイさんはこの日、同紙のインタビューに対し、「16時間も運転して投票所へ行った。一本化により不本意ながら無効票を投じたことになった在外国民に同情する」と回答。カナダに住む別の人物も、「カナダでは北から南に移動する場合の交通が不便。日帰りでの投票は難しく、一泊して帰ってくる人もいる。在宅勤務が不可能な病院、飲食店などで働く友人は休暇を取って投票している」と語った。

また、安候補に投票した在外国民の心境はさらに複雑だといい、ベトナム北部に住むイさんは、「週6日働いて、唯一の休日を投票に費やした。周りから『安候補に入れたら死票になる』と言われてもあえて1票を入れたのに、候補者から一方的に死票にされた」と話しているという。

この日、韓国大統領府の国民請願掲示板には、「在外国民の投票終了後の辞退を規制する『安哲秀法』を制定してほしい」という請願文も投稿された。請願者は「投票終了後の候補者の辞退による強制的な無効票化は、投票者に対する冒涜（ぼうとく）行為。このような前例が作られたら、次回以降も在外国民の投票終了後に突然辞退する候補者が出てくる可能性がある。そうなると在外国民は安心して投票できない」と主張。そして「在外国民に対する真の投票権保障のためにも、辞退する期限を在外国民の投票開始前に定める『安哲秀法』を制定してほしい」と要求しているという。

今回、在外国民による投票は2月23～28日に115カ国・219の投票所で実施され、有権者約22万6000人のうち約16万1000人が参加。投票率は71．6％を記録している。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「安候補は死票にするためにわざと今ごろ辞退を？」「辞退するなら少なくとも先週中にすべき。マクチャンドラマ（あり得ない展開が続くドラマ）でもあるまいし」「人間的に安候補を尊敬していたのに…なぜこんな不道徳な人を選んだのか、自分が恥ずかしい」「テレビ討論会を見てたのに、国民が寝てる間に手を組むなんて国民をばかにしてる」「安候補は今回の選択を後悔することになるはず」「安候補のような日和見主義者が政治に参加できないよう、法律を定めてほしい」など、安候補に対する批判の声が相次いでいる。（翻訳・編集/丸山）