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中国人がロシア支持とウクライナ支持で大分裂、互いに「聞く耳を持たなく」なった背景―米華字メディア

Record China    2022年3月10日(木) 9時20分

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8日、米華字メディア・多維新聞は、中国国内世論がロシア支持とウクライナ支持で大きく分裂し、互いに相手の意見に聞く耳を持たない状況となっていると報じた。

2022年3月8日、米華字メディア・多維新聞は、中国国内世論がロシア支持とウクライナ支持で大きく分裂し、互いに相手の意見に聞く耳を持たない状況となっていると報じた。以下はその概要。

ロシアとウクライナとの戦争により、中国のネット世論には亀裂が生じ、ロシア支持派とウクライナ支持派が互いに汚い言葉で攻撃し合うという痛ましい状況に陥っている。しかし、両者の間には実は調和が不可能なほどの根本的な対立は存在せず、視点やウエイトの置きどころが違うだけに過ぎない。どちらも戦争に反対し、平和を望み、話し合いによる紛争解決を期待しているのだ。

ロシア支持者の多くは現実主義、地政学上の駆け引きという視点に立ち、歴史上における米国の侵略行為や覇権主義に対する不満、ロシアの存在が米国による中国への圧力の緩衝材となるといった感情や思惑から、冷戦の遺物である北大西洋条約機構(NATO)の拡張にあらがうロシアに同情と理解を示しているのである。

一方、ウクライナ支持派の多くは道義や理想主義から出発し、ロシアに攻め込まれたウクライナの弱者としての境遇に強い共感と同情を覚え、歴史上におけるロシアの中国に対する傷害行為や、プーチン大統領の覇権主義的振る舞いへの不満、そして中国と欧米の関係改善への期待を抱いている。

双方の考え方の多くは相互補完が可能であり、そうすれば中国や世界の複雑な状況を理解することができる。それなのにどうして彼らは簡単に感情的になって他人を批判し、善悪二元論的思考に陥っているのだろうか。それは近年の中国ネット世論における国粋主義化と密接に関わっているかもしれない。

社会や経済の発展、モバイルネットワークの普及に伴い、中国の思想市場は「誰もが発信できるセルフメディアの時代」に入り、それまでの知識エリートやオピニオンリーダーが世論を主導する時代が終わりを告げた。これはある側面で社会や時代の進歩とみなすことができるが、一方で議論に参加するようになった民衆の多くは文化レベル、理性的な思考能力、そして国際的な視野が非常に限られているため、反知性的な国粋主義が生じやすくなった。

また、今の中国のネット世論には、「発言が暴力的である」「自分こそが真理と思い込んで道徳的なマウントを取り、上から目線で他人を非難・中傷する」「依然として多くの人が善悪二元論に影響され、討論する際に理性が保てない」といった三つの問題点を抱えている。

温和なムードで暴力や二元論的思考を控え、寛容と傾聴を一層重視し、議論によって真相や道理を究明する。決して簡単なことではないが、そこに向かって努力することで、自分自身や中国をより良くしていくというのは、決して難しいことではないだろう。(翻訳・編集/川尻

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