出勤しない「新しい職業」、若者が求める新しい働き方―中国

人民網日本語版    2022年3月9日(水) 19時50分

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ここ数年、「フレキシブルワーク」の道を探求する若者が増え続けている。

ここ数年、「フレキシブルワーク」の道を探求する若者が増え続けている。会社に行ってタイムカードを押さなくていい「新しい職業」に従事する人々は今、どんな生活をしているのだろうか。フレキシブルワークが長期的に発展するにはどうしたらよいだろうか。中国青年報が伝えた。

■若者は自分のためにライフスタイルを「オーダーメイド」

中国人民政治協商会議(全国政協)委員を務める中国作家協会の白庚勝(バイ・グンション)副会長は、「新しい技術が開発されて、私たちの雇用問題解決に向けて新たな可能性が広がった。インターネット、人工知能(AI)、ビッグデータ、ハイテクなどが、私たちの雇用の可能性を大きく広げ、私たちの生存能力を高めた」との見方を示した。

北京師範大学珠海分校教育学院の高艶(ガオ・イエン)准教授は、「上の世代の雇用状況といえば『人が職場に適応し、職場に合わせる』というもので、1つの職場・1つの職種で一生働くことができたが、こうした『職場適応論』は今の発展状況にはあまり合わなくなった」と述べた。

高氏は、「時代が今日の若者にチャンスを与え、若者はオーダーメイドのように自分のためにオリジナルのライフスタイルを作るようになった。たとえば、これまでの時代の雇用といえば『10タイプの間取りのモデルルームから1つを選ぶ』ようなものだったが、今の若者の雇用に対する理念は『自分の家は自分で作る』で、若者は自分らしい生活モデルを構築するチャンスを与えられている」とした。

「新職業」に従事する数人の若者が言及したのは、趣味が職業選択で重要なきっかけになったこと、またストレスを受け入れようとする時の精神的支柱になったことだ。

動画サイト「bilibili」(ビリビリ)で動画をアップする「才疎学浅的才浅」さんは、2021年4月、三星堆遺跡から出土した黄金仮面の製造工程を手作業で再現した動画をアップすると、あっという間にネットの人気者になった。8月には同じく三星堆で発見された金の杖でも再現を試みた。

昔から手を動かして作業をするのが好きだったという「才疎学浅的才浅」さんは、2017年に大学に入ると、大勢の投稿者がビリビリで趣味を共有して楽しんでいるのを見た。余暇時間がたくさんあったので、独学で動画の編集と撮影を学び、作業のプロセスを記録してオンラインで発信した。

「才疎学浅的才浅」さんは大学卒業後、単身で上海に行き、プロの動画発信者になった。「手で作業することへの情熱が、僕に夢を追いかける勇気をくれた」という。

「95後(1995年から1999年生まれ)」のメディア関係者の張天朗(ジャン・ティエンラン)さんは、ネットの「小宇宙」ポッドキャストサイトでスポーツ解説のポッドキャストを配信し、この誕生から1年ほどの独立したポッドキャストで、ドイツのプロサッカーのトップリーグ「ブンデスリーガ」のドルトムントについてあれこれ語っている。

張さんは、「ポッドキャストをやるのは、いつか大きくなってお金を稼ごうというのではなく、自分が好きだからやっているだけだ。ポッドキャストの番組を録音し終われば、言いたかったことも話せていて、とても心地よい。より多くの人が注目して聞いてくれたらもちろんうれしいが、誰も聞いていなくてもたいした問題ではない」と話した。

■社会にエネルギーと原動力を送り込む新職業

全国政協委員の賀雲翺(ホー・ユンアオ)氏は、「大勢の若者が新職業を試してみたいと考えており、この現象の背後に隠されているのは人々の精神的な追求であり、より質の高い素晴らしい生活への希求だ」と述べた。

高氏は、「『新職業』が次々に登場することは時代の発展ニーズに合致している。今の時代は若者を必要としており、若者こそが社会の中堅パワーであり、トレンドを牽引する一団の人々だ。若いということは好奇心、探求欲を意味し、決まり切った道を歩かない個性を体現している」と述べた。

若者は自分がよいと思う職業に向かって新たな競争の道を追い求め、一部の新職業も文化事業の発展にエネルギーと原動力をもたらした。

Vチューバーの渾元さんがアップする動画は、チャルメラによるアニメ主題歌の演奏が中心だ。視聴者からは、「こんなに若い人が、新しいメディアプラットフォームを通じて民族楽器の発展を後押ししている」と評価するコメントも寄せられたという。渾元さんは、「この新しい業界には無限の可能性があると思う」と話した。

業界報告のデータによると、中国のネット文学ユーザーは4億6000万人を超え、ネット文学の創作者はすでに累計2130万人を超え、「95後」や「00後(2000年代生まれ)」の若い作者がどんどん参入している。

白氏は作家協会の副会長として、「ますます多くのネット文学の書き手が出てきて、中国文学に新たな血液と活力をもたらしていることをうれしく思う」としている。

高氏は「制度面で若い人たちの起業に最も基本的な保証と支援を与えれば、より多くの人が新職業に参入するようになることは確実だ」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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