日本人女性が見た中国の不倫文化=「男はステータス、女はカネ」のドライな関係

Record China    2014年6月4日(水) 12時1分

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中国で生活し始めて間もない頃、早朝、大学にあまり似つかわしくない高級外車から女子大学生が降りてくる姿を何度も見たことがある。彼女たちがバイト感覚で「愛人」をしていると知ったときには大変驚いたものだ。資料写真。

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中国で生活し始めて間もない頃、早朝、大学にあまり似つかわしくない高級外車から女子大学生が降りてくる姿を何度も見たことがある。彼女たちがバイト感覚で「愛人」をしていると知ったときには大変驚いたものだ。過去にはあれほどまでに保守的だった中国では今、「不倫をした場合は退学」と大学が警告を出すほどに不倫が流行している。中国経済が急速に発展し、裕福な人々が増えた今、金持ちであれば古来の皇帝のように、愛人を囲ってもいい時代になったのだろうか?

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中国人にとって、何よりも譲れないものは「メンツ」である。中国人男性にとって、若く美しい女性を自分の愛人にできることは非常にメンツが立つ。愛人だからといって日本人のように、こそこそと密会してばかりいない。友達との集まりや同窓会にまで愛人を連れて行き、お披露目する。中国社会において、愛人を持つことは権力と富の象徴でもあるからだ。女性も、「金目当て」と言われても痛くもかゆくもない。

中国人女性は、日本人と比べると、良く言えば「現実的」、悪く言えば「拝金主義」である。結婚するには「最低でも持ち家が必要」という中国で、金がないことのつらさを彼女たちはよく理解している。日本人のように「年収○○万円以上の人と結婚したい」などと遠回しな言い方はしない。「金持ちと結婚することが何よりの幸せ」と堂々と口にする。それゆえ、仮に愛人という名の下であろうと、生活費も全て負担してくれ、小遣いまでもらえるとなれば、喜んで「甘んじる」のである。もちろん、感情的に相手の家庭を乱したりして、自分の収入源をなくすようなまねはしない。

2011年に中国で大ヒットした映画「失恋33天」にこんなシーンがある。ウェディングプランナーの主人公は、ある金持ちの男性が拝金女(拝金主義の女性)と結婚することに疑問を抱く。そのときの男性の答えはこうだ。「拝金女にとって、ルイ・ヴィトンは生活必需品だけど、愛情は贅沢品。ヴィトンの需要はずっと満たせるけど、愛情の需要はずっと満たしていけるものなのかな?」。今日の中国不倫文化の根底には、中国特有の「拝金主義」がある。男性たちは高い金を払ってメンツを維持し、若く美しい女性たちはこぞって愛人という職業を選ぶ。そこには「好きよ嫌いよ」などという感情は存在しない。彼女たちはただ単純に「生計」を立てているのだ。

■筆者プロフィール:北村まい(きたむら・まい)

1989年、兵庫県生まれ。高校時代、一人旅で訪れた北京で中国の魅力に圧倒され、「どうせ学ぶならキレイな標準語を」と、極寒の地中国ハルビンに留学。4年間の現地生活で中国文化の奥深さと中国人のパワフルさの虜となり、「中国通」になることを決意。2014年秋より四川大学大学院で対外中国語教育を学ぶ。現在中国語翻訳者として活動中。

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