2022年3月18日、韓国・東亜日報は、「韓国は現在、コロナ禍が発生して以来最悪の状況に陥っている」と報じた。

記事によると、17日0時時点での韓国内の新型コロナウイルス新規感染者は62万1328人。1日で60万人を超えたのはこれまで米国以外に例がなく、韓国の人口5163万8809人のうち1．2％が1日で感染した計算になる。

記事は、「ここまで感染者が増加したのは、すべてオミクロン変異株を過小評価した政府の責任」と指摘。金富謙（キム・ブギョム）首相は1月25日、「（新規感染者数は）3万人程度でピークを迎えると見ている。恐怖心を覚える必要はない」と語り、2月25日にも「ピークは25万人程度。最後の峠」と推定していた。その後、韓国政府は防疫対策の緩和に乗り出し、3月1日には防疫パス（ワクチン接種証明・陰性確認制）を全面中止し、感染者の同居家族の隔離義務も撤廃した。また5日には、飲食店やカフェの営業時間を午後10時から午後11時までに延長した。

このような状況を受け、対外経済政策研究院のチャン・ヨンウク副研究委員は「通常は被害を減らすために感染のピークを予測するのに、むしろ政府が毎回『耐えられる』と主張することでさらに感染者を増やしている」と主張。大韓ワクチン学会のマ・サンヒョク副会長も、「現在韓国は新型コロナウイルスに関して無政府の状況」と批判しているという。

また、さらに懸念を深めているのは、2年間安定的に推移していた新型コロナウイルスによる死亡者数が短期間に急増していること。17日の死亡者数は429人で過去最多となり、このうち395人（92．1％）が新型コロナウイルスまたは肺炎で死亡していた。基礎疾患が悪化して亡くなった人は23人（5．4％）のみだったという。

医療界は新型コロナウイルスによる死亡者数が実際よりも少なく集計されている可能性も指摘しているとのこと。新型コロナウイルスに感染し、隔離が解除された後に死亡した場合、医療スタッフが臨床的判断により新型コロナウイルスを死因として申告するかどうかを決定するが、この時点で報告されていない案件も少なくないという。嘉泉大学吉病院感染内科のオム・ジュンシク教授は、「このような『隠された死者』を除いても、2～4週後には死亡者数が1000人に達する可能性がある」と分析している。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「現政府は新政府を陥れるためにコロナを利用してるの？」「大統領選挙前の時期に、防疫対策を緩和した時からおかしいと気付くべきだった」「5年間楽しく旅行して、芸能人と遊んだだけで終わったね」「セウォル号事件を名目に朴槿恵（パク・クネ）前大統領を引きずりおろして大統領の座に就いたけど、コロナで1日に400人が死亡する今の事態を見て何を考えてるのかな」「在任期間中ずっと外交問題や北朝鮮への対応などで国民にストレスだけを与えてきたけど、謝罪すらしないのか」など、現政府や文大統領に対する批判の声が相次いでいる。（翻訳・編集/丸山）