夜の街に灯りがともる―台湾メディアが日本「クラブ文化」の紹介記事

Record China    2022年3月20日(日) 22時0分

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台湾メディアの風伝媒は19日付で、日本の「クラブ文化」を紹介する黄郁傑氏の署名入り文章を掲載した。黄氏は台湾出身で、日本に留学して早稲田大学の経済修士号も取得したという。以下は、黄氏の文章の要約だ。

台湾では、連続テレビドラマの「花灯初上」の第3部が注目された。「花灯初上」とは「夜の街に灯りがともりはじめる」の意で、番組は「台北市内にある日本式のクラブ」で発生した殺人事件をめぐる推理ドラマだ。台湾メディアの風伝媒は19日付で、テレビドラマ「花灯初上」に絡めて日本の「クラブ文化」を紹介する文章を掲載した。著者の黄郁傑氏は台湾出身で、日本の早稲田大学で学んで経済修士号も取得したという。以下は、黄氏の文章の要約だ。

日本には「クラブ」と呼ばれる酒場以外にも「キャバクラ」に分類される店がある。クラブでは、「ママさん」の指示の下で従業員がチームとして客を接待する。報酬は店全体の利益を従業員に分配する方式だ。客は比較的年配で高額の支払いが可能な人。

「キャバクラ」では多くの場合、店はチームとしてではなく、1人のホステスが1人の客を接待する。ママさんがホステスを指導したり支援することはなく、ホステスは自分自身の売り上げが収入に直結するので、収入を増やすために自分自身で客を引き付ける方法を学ばねばならない。また、多くの店では、売り上げを増やすと同時に客に「多くのホステスにもてなされた」と感じさせるために、10分から15分程度でホステスを交代させる。キャバクラの場合には、このような営業形態や、クラブと比較すれば低額の料金設定などにより客層も比較的広く、20代から40代のサラリーマンが多い。

テレビドラマ「花灯初上」の舞台である店は、日本のクラブとキャバクラを折衷させた営業形態だ。ママさんが指導はするが、個別のホステスの売上高は本人の収入に結びつき、他のホステスには関係しない。

日本における「クラブ文化」はどの様なものなのか。ある男性によると、クラブに通うようになったのは、仕事で重圧を受けるので、酒を飲んで雑談をしたいと思ったからと説明した。心理カウンセリングを受ける方法もあるが、夜の遅い時間では不可能だったからという。この男性によると、あるクラブのママさんにたまたま仕事上の悩みを打ち明けたところ、理路整然と分析してくれて、ママさんの独自のアイデアを加えた、自分自身では想像もしなかった良案を示してくれた。例えば心理カウンセラーになるのでも、専門の勉強をするだけでなく、このママさんのような柔軟性があってこそ、難問を解決できる回答を得られると感じたという。

日本には、女性を顧客とするホストクラブもある。ある女性は「ずっと自分に自信が持てなかった。それに加えて日本の職場は比較的男尊女卑で、私は総合職として採用されたのに上司に呼び出されて雑用を押し付けることもあった」ことなどで悩んでいた。同世代の男性の同僚は遊び人か「お宅」で頼ることはできなかったという。

この女性は大学の同窓生と雑談をしていて、多くの同窓生が定期的に銀座のホストクラブに行っていることを知った。勧められたので自分も半信半疑で行ってみたところ、ホストは会社の男性同僚のような遊び人ではなく、この女性の悩みを真剣に聞いてくれた。そのことで自信と勇気を取り戻し、職場でのさまざまな嫌なことにも対処できるようになったという。

2008年に発表された研究によると、日本では多くの男女がナイトライフで社交能力を学び、観察力や物事の処理能力を身に着けている。冗談めかして「クラブは夜のコンサルタント業」と言う日本人もいるぐらいだ。

芸能界などで成功して有名人になったホストもいる。ローランドというホストはモデルやタレント、実業家としても成功した。また、自分の考え方や生き方などを紹介した著作で勇気を与えられた読者も多い。

音楽家のGAⅭKTは現在48歳だが、20年にテレビ番組で、20代の時にはホストをしていたと述べた。GAⅭKTは、その時代の女性客の支持がなければ、現在の自分はないとまで言った。

ローランドやGAⅭKTは自分の夢を手放さず、努力をしつつ夜の仕事に真剣に取り組んだ。苦労したからこそ人気ホストになれ、そこから他の分野に飛躍することができた。

日本と台湾のナイトライフには多少の違いがある。しかし、夜の街の可能性は無限大だ。さまざまな年齢の男女が行き交っている。酒を飲んで楽しもうと考える人もいれば、心の慰めを求める人もいる。夜の店が多くの人を魅了するのは、誰もが優しい心を求めているからかもしれない。(翻訳・編集/如月隼人

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