人民網日本語版 2022年3月23日(水) 6時50分
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デジタル経済が勃興する今日、エネルギーのデジタル化が密かに、人々の生産・生活に浸透している。
1つのステーション、14人の労働者、35基の油井、原油生産量は1日当たり約230トン。これは中国石化勝利油田青東5海油陸採プラットフォームだ。大型モニタリングディスプレーを通して、12台の高画質球形カメラによりプラットフォームの全貌を一望できる。ズームインすると、油井のボルトまで見える。隣のパソコンでは、油井入口の圧力、温度、産油量、電力消費量などの油井生産を反映する各種データがリアルタイムで更新されていた。
これらのデータは、かつては人の手で採集されていた。採油工は検温装置、圧力メーター、温度計を持ち、往復して走りながら記録を取った。それに対し、現在はマウスでクリックするだけで、各種指標がはっきり表示される。プラットフォームの生産保全を担当する青東採油管理区注採第一ステーション長の袁亮(ユエン・リアン)氏は、「データのリアルタイム表示により、バルブ漏れや給液不足といった問題の有無、油井の生産状況が一目瞭然だ」と述べた。
デジタル経済が勃興する今日、エネルギーのデジタル化が密かに、人々の生産・生活に浸透している。エネルギーのデジタル化とは、デジタル技術を利用しより効率的かつクリーンで経済的な現代エネルギー体制を構築し、エネルギーシステムの安全性、生産性、持続可能性を高めることを指す。
エネルギー企業はなぜデジタル化を全力で推進しているのだろうか。エネルギーのデジタル化の意義は、人を重労働から解放することだけにあるのではなく、企業にとっても多くのメリットがある。低炭素目標の下で、エネルギー分野のデジタル化、スマート化モデル転換の役割がより際立っている。
デジタル技術はエネルギー業界のコスト削減と効率アップをサポートできる。例えば華為(ファーウェイ)は光感知に基づく製品とアルゴリズムエンジンにより、山東済華燃気によるスマート油ガスパイプライン巡回点検サービス構築のサポートにより、パイプラインのリスク認識の正確率が97%に上り、パイプラインの安全と管理の質を全面的に高め、運営・メンテナンスのコストを削減し、油ガス業界のデジタル化モデル転換のプロセスを加速させている。
賽迪研究院の劉文強(リウ・ウェンディー)副院長は、「デジタル技術はエネルギー革命戦略において重要な役割を果たし、エネルギー産業の変革をけん引する原動力になっている。クラウドコンピューティング、モバイルネットワーク、ビッグデータ、ブロックチェーン、5G技術が融合発展し、エネルギーの生産、運営、輸送モデルを変えつつある。デジタル化のエンパワーメントにより、管理と生産の効率を高め、グリーンで低炭素なモデル転換を促進できる」と述べた。
浙江省杭州市蕭山のある化学繊維産業パークで、複数の企業がこのほどエネルギー消費量データ収集装置を設置した。集められたエネルギー消費量や炭素排出量などのデータはリアルタイムで杭州市の「エネルギーダブル炭素数智プラットフォーム」に同期される。杭州市はデジタル化技術を利用し、電力、ガス、石油、石炭の4種のエネルギーデータ及び重点モニタリング企業のエネルギー消費情報を統合し、エネルギー消費量と炭素排出量を正確に管理・制御している。浙江大学エネルギー工学院の岑可法(ツェン・コーファー)教授は、「デジタル化、スマート化技術により生産側の変革を推進し、新しいグリーン生産モデルを構築することが将来の発展方向」との見方を示した。
中国国務院はこのほど「『十四五』デジタル経済発展計画」を通達し、エネルギー分野のデジタル化モデル転換のペースアップを打ち出した。エネルギーの生産、輸送、貯蔵、販売、使用の各部分の施設のデジタル化高度化を推進し、炭鉱、油ガス田、油ガスパイプライン、発電所、電気網、油ガス備蓄倉庫、末端エネルギー消費などの設備・施設、加工フローのデジタル化建設・改造を実施するとした。
専門家は、「生産、輸送、小売、消費などのエネルギー産業の各段階で、デジタル化の需要がより切実になっている。国のトップレベルデザインと統一計画のもと、エネルギーデジタル化は徐々に精密な発展に向かう」と指摘した。(提供/人民網日本語版)
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