Record China 2022年3月30日(水) 5時20分
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28日、米華字メディア・多維新聞は、日本政府の対ロシア政策転換について「2つの自民党が存在する」とする、専門家の見解を紹介する記事を掲載した。
2022年3月28日、米華字メディア・多維新聞は、日本政府の対ロシア政策転換について「2つの自民党が存在する」とする、専門家の見解を紹介する記事を掲載した。
記事は、輔仁大学や台湾大学の日本語学部教授を務める何思慎(ハー・スーシェン)氏の解説を紹介。何氏は今回の日本政府による対ロシア制裁が2014年のクリミア問題時よりも一層広範でなおかつ実質的なものになっているとした上で、クリミア問題当時は安倍晋三政権が平和条約締結に向けて日ロ関係改善に力をしていたほか、米国も今回ほど強硬姿勢を示していなかった点が今回と大きく異なるとした。
そして、岸田文雄政権が米国を筆頭とする欧米諸国に追従して対ロ制裁を発動した大きな要因として、G7メンバー国として他のメンバー国との足並みをそろえる必要があったこと、米国にとっての東アジアにおける最も主要な盟友として地位を獲得すること、そして外交政策において安倍元首相よりも賢明であることを証明したいことが挙げられるとした。
また、対ロ貿易が日本にとって対中貿易ほどの大きな影響力を持っていない点を指摘。日本が対ロ制裁に参加したとしても実体経済に与える影響は、そのプロパガンダ的効果に比べたら小さく、農作物や工業材料、中間材は短期間では価格の変動を生じるもののいずれも代替供給者が存在し、エネルギーについても中東や米国への依存が大きく、ロシアへの依存度は小さいため、影響は限定的という考えも、日本政府による対ロ制裁を後押ししたと分析している。
何氏はその上で、安倍元首相と岸田首相とで対ロ方針が大きく異なるもう一つの理由について、自民党内が吉田茂、池田勇人両氏から岸田首相へとつながる旧自由党からの流れ、戦後公職追放されていた政治家が政界に復帰した勢力に源を発し、鳩山一郎、岸信介両氏から安倍元首相へとつながる旧日本民主党からの流れに二分されているためだと説明。1956年の日ソ国交正常化は旧日本民主党系の鳩山政権時に推進されたもので、その背景には旧自由党出身の吉田元首相による親米、唯米主義的姿勢に対する不満があったと紹介し、安倍元首相による積極的な対ロ外交は、自身の祖父である岸信介氏からの「家系の流れ」とともに、旧日本民主党の伝統をも踏襲したものだったのだとの見解を示した。(翻訳・編集/川尻)
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