<日中100人 生の声>「東西互照、道義撑持」日中黄檗文化促進会の防疫戦―鄭松波 日中交流団体役員

和華    2022年4月1日(金) 21時50分

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日本福建経済文化促進会と日中福清工商会などの華僑団体と日本黄檗文化促進会が合同で福建省に「東西互照、道義撑持」と書かれた箱を寄贈しました。写真は日本黄檗宗大本山萬福寺に寄付する7万個のマスク。

▼祖国への思いと郷里への恩返し

2020年2月12日、日本福建経済文化促進会と日中福清工商会などの華僑団体と日本黄檗文化促進会が合同で福建省に「東西互照、道義撑持」と書かれた箱を寄贈しました。箱には日本からの医療物資が詰めこまれていました。

「東西互照、道義撑持」とは明末清初の時代に日本に渡った黄檗宗の高僧・隠元の言葉であり、両国民が互いに助け合い、困難を乗り越えるという道徳的精神を反映したものであると中日黄檗文化促進会会長の林文清氏は述べています。福建省福清市は隠元の故郷であり、日本黄檗宗の祖庭でもあります。福清黄檗文化促進会は2015年の創立以来、黄檗文化と隠元の精神を紐帯とし続け、日本と中国の人々の平和と友好、相互理解促進に力を注いでいます。

2020年初頭に中国で新型コロナウイルス感染症の大流行が起こった後、日中両国の黄檗文化促進会は、会員を動員して物資を購入し、2月1日、2月4日、2月9日の3回にわたり、日本の各華僑団体と協力してマスク、防護服、体温計等を祖国と故郷に送りました。

また、福清黄檗文化促進会の林文清会長、日本の一般社団法人黄檗文化促進会の陳熹理事長及び両国の会員が、日本黄檗文化促進会の名義で日本中華総商会、日本福州十邑同郷総会、日中福清工商会議などの在日華僑団体に寄付を行いました。

新型コロナウイルス感染症の流行後、私は黄檗文化促進会の副会長として日本やアルゼンチン、マレーシア、ベルギーなど海外華僑の寄付状況を速やかにキャッチアップし、空港で職員がスムーズに受け取れるよう、福清市政府職員をサポートしました。また、日本福建経済文化交流協会(会長の魏成炳氏は福清出身)と福清華僑中学日本校友会の依頼を受け、福清にいる会員の家族に防護マスクを配布した。

2020年2月、元宵節の期間中、「東京燈会満月祭実行委員会」が主催する「東京燈会 満月祭 2020」では赤いチャイナドレスを着て募金箱を持った日本人の女の子が、道行く人にお辞儀をしては武漢への心のこもった寄付に感謝し、「日本で最も美しい女の子」と評されました。 これは黄檗文化促進会のメンバーがいちはやく気がつき、撮影して福清黄檗文化促進会の公式ウィチャットアカウントで報じました。 その後、中国や日本の様々なソーシャルメディア上で合計1億7000万人以上の人がフォローすることになりました。

▼同じ船に乗った者同士で助け合う

中国で新型コロナウイルス感染症は効果的に抑制されたものの、今度は日本で感染が拡大しました。私たちは「投我以桃報之以李」(桃を受け取ったらスモモを返す。恩を受けた人が恩を返すこと、互いに贈り物を送ることを表す)を合言葉に 日中の黄檗文化促進会が再び手を取り合って、日本社会での防疫対策に動きました。

2020年3月10日、福清黄檗文化促進会と福清山寺が日本黄檗文化促進会、アジア太平洋観光社等と協力して、日本黄檗宗大本山萬福寺に7万個のマスクを福清から発送しました。

2020年4月、日本黄檗文化促進会の陳熹理事長からマスクを黄檗宗大本山萬福寺に寄贈

4月2日、日本黄檗宗本山萬福寺では、世界中で新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息することを祈願する大法会を開催しました。 これは隠元禅師のふるさとである福建省の福清から送られる防護マスクを迎えるために行われた。当日は、日本黄檗宗の近藤博道管長と荒木将旭宗務総長、司会の内藤香林氏及び日本黄檗文化促進会の陳熹理事長、アジア太平洋観光社の劉莉生社長、また自治体からは京都府、京都市、宇治市の山本正市長などが出席され、日本の主要メディアも取材に訪れました。

4月14日、東京にある日中福清工商会は、日本にいる同胞にマスクを届けました。 このマスクは故郷である福清黄檗文化促進会が集めて送ったもので、減便や物流ルートが滞ったため、発送してから1カ月以上の紆余曲折を経て日本に到着したものでした。同日、日本黄檗文化促進会は、日本福州十邑同郷総会を経由して、福州市海連会、福州市僑務弁公室、福州市僑連合から寄贈されたマスクを受け取り、在日華僑・華人に届けました。

2021年2月11日夜、東京タワーが「中国紅」にライトアップされ、新年である牛年を祝って「希望」という文字が投影されました。 孔鉉佑駐日中国大使からも旧正月の挨拶動画を、菅義偉首相と小池百合子東京都知事からは書面による祝辞が寄せられました。2019年以来、黄檗文化促進会は毎年「中国紅」のライトアップイベントにも積極的に関わっています。

5月には、日本福建経済文化促進会、日本福建経済文化交流協会、日中福清工商会、黄檗文化促進会の華僑・華人メンバーと協力して、新型コロナウイルスの影響で困難に陥っている長崎の孔子廟への寄付を集めました。

2021年2月、林文清会長が「東京タワーレッドライトアップ」イベントに出席

このように、コロナ禍においても日中黄檗間の交流は途切れることなく、友情の美談が1ページ、また1ページと紡がれていくのです。

※本記事は、『和華』第31号「日中100人 生の声」から転載したものです。また掲載内容は発刊当時のものとなります。

■筆者プロフィール:鄭松波(ていしょうは)


福清黄檗文化促進会副会長、致公党福清市委員会海外連絡部部長、日本福建経済文化促進会理事、日中福清商工会駐融連絡先代表、福清光大文旅機構社長。日中両国で黄檗文化を熱心に伝え、幅広い分野 の人々と交流を重ねている。

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