Record China 2022年4月2日(土) 0時20分
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30日、新民晩報は、新型コロナ感染者の増加に伴い突然封鎖された上海市内の古い住宅地域で、清掃員が公衆トイレに「4連泊」して管理を行う事態が発生したことを美談風に報じた。
2022年3月30日、新民晩報は、新型コロナ感染者の増加に伴い突然封鎖された上海市内の古い住宅地域で、清掃員が公衆トイレに「4連泊」して管理を行う事態が発生したことを美談風に報じた。
記事は、同市楊浦区にある古い住宅地の鳳城三村で清掃員として働いていた李春巧(リー・チュンチアオ)さんが17日、新型コロナ感染者の拡大に伴う地域のロックダウンにより、地域内にある公衆トイレの管理をトイレに住み込みで担当することになったと紹介。李さんは突然この仕事を言い渡された際に「夜はどうやって寝るのか、食事はどうするのか、感染の心配はないのか。さまざまな思いが去来して、大きなプレッシャーを感じた」ものの、トイレのない住宅もあり、公衆トイレを閉鎖するわけにはいかないことから、所属する会社と相談の上に引き受けることを決めたと伝えた。
そして、李さんのために椅子や布団、毛布やせっけんなどの生活用品が送られ、十分なマスクや手袋、防護服、ゴーグルなども用意されたほか、時間になると温かい食事も運ばれてきたとする一方で、住民が外出できず自宅にいること、PCR検査のスタッフが多くやって来たことから公衆トイレは普段以上に「盛況」となり、早朝から夜まで行列ができ、当局からの厳しい消毒要求もあり、李さんの仕事は非常に忙しくなったと紹介した。
窮屈なトイレの管理室に寝泊まりする李さんは、午前5時開門にもかかわらず4時過ぎにドアを叩く音で起こされやむなくトイレを開けるところから1日が始まり、午後10時にトイレを閉めるまで働き続けた。李さんは「最初の夜は寒いわ慣れないわで眠れなかった。そして大雨が降ると臭いがひどく、蚊取り線香を焚くしかなかった。SNSではみんな励ましてくれるが、スマホを閉じると一人きりになってとても心細かった」とその苦悩を語っている。
記事は、李さんの会社が李さんの心理ケアや生活保障に努め、動画を通じて李さんを励ましつつ、その生活状況や体調についてボランティアスタッフが配慮を行う体制を取ったことを伝えた。ただ、李さんをトイレに住み込ませる形式を変更することはなく、トイレ以外のスペースを確保して寝泊まりさせる、交代勤務体制にするといったような措置は検討しなかったようだ。
この件について、中国のネットユーザーからは「トイレの壁に『I(ハート)SH』(アイ・ラブ・上海)と描かれているのがなんとも皮肉っぽい。あなたは上海を愛しているかもしれないが、上海は一体あなたを愛しているのか?」「こんな話でわれわれを感動させようとでもいうのか」「人をトイレに住まわせて、それを誉と感じさせるなんて恥ずかしくないのか」「これが国際的な大都市の万全な感染防止対策だ」「犠牲を吹聴する社会に進歩はない」など冷ややかなコメントが寄せられている。(翻訳・編集/川尻)
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