2022年5月4日、米国際放送局VOAは、ウクライナ問題について中国がこれまでロシアに対して公に軍事的、経済的支援を行っていないことに、米国政府関係者が安堵（あんど）していると報じた。

記事は、英ロイターの3日付報道として、ある米国政府関係者が「中国による長期的なロシア支援に警戒感を引き続き抱いているが、ウクライナ問題において中国がロシアに軍事的、経済的支援を行うという懸念事項について、今のところまだ発生していない」と述べたことを伝えた。

また、中国政府がこれまでロシアによるウクライナへの軍事行動に対して直接支持を表明していないとともに、3月には中国の国有企業である中国石油化学がロシアとの大規模な石油化学工業プロジェクトや天然ガス投資に関する交渉を一時的に停止したと紹介。4月には国連安保理でのロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議において中国が反対ではなく棄権票を投じており、米国の国連代表が「これは勝利だ」と称賛したことを伝えている。

記事は、西側に対抗するために中国がロシアを外交政策のキーと位置付けているとした上で、米国政府関係者が「バイデン米大統領の助手らは、ロシアのウクライナ侵攻が大きく頓挫した後、習近平（シー・ジンピン）国家主席がプーチン大統領に直接支援を提供するのではないかと懸念してきた。現在そのような事態になっていないことを彼らは喜んでいる一方で、中国がロシアに対する非難を拒否し、ロシアのウクライナ侵攻に関するフェイクニュースを散布し続けていることには引き続き懸念を抱いている」と語ったことを紹介した。（翻訳・編集/川尻）