Record China 2022年5月23日(月) 8時0分
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中国紙・環球時報は19日、「日本の経済安保法にはどんな潜在的危険があるのか」とする論評記事を掲載した。
中国紙・環球時報は19日、「日本の経済安保法にはどんな潜在的危険があるのか」とする論評記事を掲載した。筆者は上海国際研究所研究員の陳友駿(チェン・ヨウジュン)氏。
陳氏は、「日本の国会でこのほど成立した『経済安全保障推進法』は、日本国内外から引き続き注目を集めている」とし、来年から段階的に施行される同法について、「岸田文雄政権のベンチマーク的な政策と言われる『経済安保法』をよく読むと、そこに3つの動向を見いだすのは難しくない」とした。
第一に、「同法は日本政府による市場経済活動への介入について、より多くの『合法性』の解釈を提供している」とし、「その中で際立っているのは、日本の首相権限を拡大し、十分な命令権と調査権を与え、“国家経済の安全を確保する”ための首相の指示に各省庁が積極的に協力し厳格に従わなければならないことだ。それだけでなく、国会審議に持ち込まれた主な理由の一つとして、同法を施行した2つの『確保』が特に目を引く。1つ目は特定重要物資の安定供給の確保、2つ目は特定の社会基盤的役務の安定的な提供を確保することである」と指摘した。
さらに、「法律文書では『特定重要物資』について具体的には限定していないが、現在の日本の政界や経済界の関心から見ると、半導体やレアアースなどの希少資源が含まれており、将来的には関連商品の輸出入や内外生産なども厳しく制限されることになる」とし、「一方で、『特定社会基盤的労務』については、経済安保法が電力、石油備蓄、通信、金融など14の細分化業種を詳細に列挙しており、マクロ経済運営のほぼすべての基礎的業種が対象となっている。今後、日本政府のマクロ経済運営への介入は全面的なものになるかもしれない」と述べた。
第二に、「日本の海外産業チェーン・サプライチェーンの再配置と調整が加速するだろう」とし、「日本政府が国内産業の発展に関与する度合いと強度がさらに高まることは、『バタフライ効果』を引き起こし、日系企業の海外工場や生産拠点などの再配置を加速させることになるだろう」と指摘。「この変化は2つの明らかな傾向を示している」として、1つ目に「半導体設計と研究開発を含むハイテク産業は日本本土への回帰を加速し、積極的な外資導入などの促進政策を通じて、この分野における日本のハイテク競争優位性と生産優位性を形成・強化する可能性がある」とし、2つ目に、「生産コストの比較的低い地域への海外生産拠点の移転を加速させ、生産コストの削減や製品全体の競争力の向上を図るとともに、新たな市場の開拓や経済的な新たな収益の創出を図ること」と分析した。
また特に指摘すべきこととして、「世界の産業チェーンの調整が市場とイデオロギーという2つの力によって駆動されていること」とし、「市場原則に基づいて産業チェーン・サプライチェーンの構造分布を配置するのは当然であり、世界経済の一体化発展の方向と動きに合致するだけでなく、グローバル社会のためにより多くの福祉を創出するのにも役立つ。しかし、イデオロギー的対抗を目的としてサプライチェーンの移転、さらには“切り離し”を騒ぎ立てるのは逆で、特定産業の中長期的な合理的計画と発展に役立たないだけでなく、新型コロナウイルスの流行で落ち込んだ世界経済の回復にも、さらには人類社会全体の技術進歩と文明の共有にも役立たない」と述べた。
第三に、「経済安保法の成立と施行により、日本社会の保守化が一層進んでいることが浮き彫りになった」とし、「経済安保法は、他の法案に比べて構想提出、法案作成、国会審議成立までの時間が比較的短く、国会両院や社会レベルでの強力な反対や阻止に遭うことはなかった。つまり、日本の政界と社会はこの問題で相当なレベルの意思統一をしているということだ」と分析した。
その主な原因の一つとして、「安全保障問題が社会の共通認識と支持を引き起こしやすいこと」とし、「この経済安保法はまさに経済社会の発展と『国家安全保障』を直接結びつけるものである。しかし、この問題の背後にある実際のところでは、日本社会全体の対外交流協力の意欲と積極性はすべて減衰し続けており、社会の内部争い化は日増しに明らかになっている」と指摘した。また、「いわゆる絶対的な“経済の安全”を確保するために日本は対外交流・協力のいくつかの重要なチャンスを自発的に放棄しつつあり、硬直化した『小さな円』の思考パターンでその広大な発展と進歩の空間を拘束し制限している」と述べた。(翻訳・編集/刀禰)
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