中国で「子どもの近視が治る」と触れ込みの薬や製品出回る、医師は「根拠ない」

Record China    2022年6月12日(日) 19時30分

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中国で「子どもの近視が治る」という触れ込みの薬や製品が出回っている。中国紙は「医師らは根拠がないと断言」と報道。むやみに飛びつかないよう注意を促した。写真は中国の学校で行われている目の体操。

中国で子どもの近視の割合が増えるのに伴い、「近視が治る」という触れ込みの薬や製品が出回っている。漢方薬にはり・きゅう、各種のサプリメントなどさまざまだが、中国紙は「医師らは根拠がないと断言」と報道。むやみに飛びつかないよう注意を促した。

国家衛生健康委員会によると、中国の児童・生徒の近視率は2020年で52.7%と半数を超えている。学校別では小学生が35.6%、中学生が71.1%、高校生が80.5%にも上る。

さらに2020年からコロナ禍が広がって以降、ステイホームを余儀なくされた子どもたちはオンラインで授業を受け、外出して遊ぶ代わりにスマホゲームをする時間が増えていることから、近視になりやすい環境となっている。

AFP通信が紹介した東方新報の記事によると、「近視が治る」との効能をうたうのは漢方薬のほか、はり・きゅう、青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)サプリ、少数民族の「秘薬」、マッサージ器、近視矯正装置、特製点眼薬、耳や足のツボ押し、ホットアイマスク、ブルーライトカットグラスなど多岐にわたる。インターネット上にはさまざまな商品やサービスがあふれ、「これで私はメガネとおさらばしました」という体験談も載っている。

これに対し、天津医科大学眼科医院の魏瑞華・主任医師は「こうした薬や製品で近視が治るという根拠は全くない」と指摘。一部の製品は神経や筋肉を弛緩(しかん)させることで眼精疲労を和らげる一定の効果は考えられるが、近視自体にはなんら効果がないという。

魏氏は「20分間本を読んだ後、20フィート(約6メートル)離れた場所を20秒見る『20-20-20』習慣を身に付け、屋外を毎日散歩するといった生活スタイルをする方が、近視の促進を抑える効果がある」と話した。

中国消費者協会も5月下旬、「「『近視が治る』という製品に科学的根拠はない。宣伝をうのみにしないように」とウェブサイトで表明した。一連の製品などを製造・販売する会社はほとんどが零細業者で、製品には生産日、品質証明、生産者が表示されていない「三無製品」も多い。

中国では「智商税(IQ税)」という言葉が最近定着しており、意味としては「社会勉強代」、つまり「知識不足による無駄遣い」を指す。中国メディアは「『近視が治る』と宣伝する製品を買うことはIQ税を払うだけだ」と警告している。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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