独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは21日、韓国政府や一部専門家が、北朝鮮が新型コロナウイルスへの勝利宣言を間もなく出すのではないかと予測していると報じた。

記事は、「世界で新型コロナの感染拡大が起きた最初の2年間、北朝鮮は国内での感染確認を否定し続けていたが、1カ月前に初めて大量の『発熱症例』が出現したことを認めた」と言及。また、「北朝鮮の医療衛生条件は世界で最も脆弱（ぜいじゃく）な列に属し、加えて多くの民衆がワクチン接種を受けられない。同国でいったん感染爆発が起きれば多くの死亡例が生じる」と予測されていたことを取り上げた上で、「報道によると北朝鮮はこの局面を回避するのに成功している」と述べた。

そして、「当局が発表する感染数は減っており、金正恩（キム・ジョンウン）氏の偉大な指導者というイメージを宣伝することが主な目的かもしれない。一方、人々は当局の統計データの正確性に懐疑的な態度を取っている」との専門家の見方や「いわゆる『発熱症例』は新型コロナの感染症例だ」という外部の推測を紹介し、韓国政府と一部専門家が「北朝鮮は間もなく対外的に宣言を出して新型コロナに勝利したと述べるとともに、それを金正恩氏の強大で英明な指導の功績とするのではないか」と予測していることを伝えた。

記事によると、ある専門家からは「このような勝利宣言は『もろ刃の剣』。新型コロナが終息したと述べれば金正恩氏の偉大な指導者のイメージを強調できるが、同時に強力な防疫制限措置を維持できなくなり、『感染流行』の名によって民衆をコントロールする手段を失う」との声が上がっている。

記事はまた、「北朝鮮のこれまでの発熱症例は計470万件だが、こうした状況下で当局が公表した死亡例は73人だ」と説明した。（翻訳・編集/野谷）