Record China 2022年7月2日(土) 5時50分
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「今年のグルジャは雨が特に多い。植物が青々と生い茂ってどこもかしこも絵になる」。そう話すのは中国新疆ウイグル自治区の油彩画家、パーアルハーティーさんだ。
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「今年のグルジャは雨が特に多い。植物が青々と生い茂ってどこもかしこも絵になる」。そう話すのは中国新疆ウイグル自治区の油彩画家、パーアルハーティーさんだ。パーアルハーティーさんは1970年生まれのウイグル族。フルネームは、パーアルハーティー・ターシーマイマイティーだ。同自治区イリ・カザフ自治州グルジャ市出身で、4歳の時に突然、絵を描くことに夢中になった。大人になって交通警察官をしていたが画家になる夢を持ち続け、家族の反対を押し切って退職。家に戻り、自身の芸術の世界に没頭した。生活は苦しかったが、パーアルハーティーさんにとっては楽しさの方が大きかった。
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グルジャは中国西部の最も遠い辺境の都市で、人口は60万人近い。ウイグル族、漢族、カザフ族、回族、モンゴル族、オロス族など37の民族が共に暮らし、青い空と緑の野が広がる。雨が多く、湿潤な気候で、はっきりした四季を持つ有名な観光都市だ。
パーアルハーティーさんの創作の主な題材は、故郷の風景と故郷の人々の二つだ。身の回りの風景や人物を描き続け、作品は全国で紹介されて北京や南京といった大都市のコレクターの収蔵品となった。パーアルハーティーさんは次第に新疆の著名油彩画家となり、新疆の中心都市ウルムチに招かれて事業を開拓。ウルムチで家庭を持ち、安定した生活を送るようになった。
だが、パーアルハーティーさんは今年、大都会のウルムチを離れて長い間遠ざかっていた故郷グルジャに戻るという大胆な決断を下した。「大都市にも美しい風景はあるが、そこにはよく知っている人も生活もない。創作の源泉もインスピレーションもなくなった」のだという。
故郷では外でスケッチをしているパーアルハーティーさんに、知らない人が「うちで食事をしよう」と熱心に声をかけてくれる。ある家の庭で絵を描いていると、庭でおしゃべりをしていた女性たちが姿を消しているのに気付いた。パーアルハーティーさんは後になって、邪魔になるのではないかと心配した女性たちがそっと立ち去ったことが分かったそうだ。
「ここは私がよく知っている故郷で、どんなに美しい風景も心からの笑いにはかなわない」。パーアルハーティーさんは絵を描きながら、そう口にした。(取材/Record China)
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