anomado 2022年7月17日(日) 21時0分
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中国がフィリピン・ドゥテルテ前政権時に約束した鉄道建設についての資金援助を履行していないという。6月末日に就任したマルコス大統領(写真右)は、南シナ海の問題で中国に妥協しないと発言していた。
米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカなどによると、6月30日に就任したフィリピンのマルコス大統領は15日までに、ドゥテルテ前大統領が中国と合意した49億ドル(約6800億円)相当の鉄道建設プロジェクトの借款について、再交渉を命じた。中国が合意済みの資金提供をしていないからという。
フィリピンでの鉄道建設プロジェクトについての資金支援は、中国による政府開発援助(ODA)として両国政府が協議した上での合意だった。
フィリピン運輸省のチャべス運輸副大臣によると、ドゥテルテ前政権期に鉄道建設について中国に資金を請求したが、中国が応じていないため、鉄道建設プロジェクトについての開発援助契約は合意内容の定めに基づいて「撤回」されたと見なしているという。
一方で、中国側では「中国とフィリピンの鉄道関連の協力は継続していると言える。中国は、フィリピンと協議することについて開放的だ」と述べた当局関係者もいるという。
両国は、フィリピンのルソン島に建設される鉄道2路線とミンダナオ島の1路線の建設について、中国側が資金を融資することで合意していた。例えばルソン島南部線については、新華社が2022年1月19日付で「中国企業がフィリピン国鉄の最長・最速の路線の鉄道プロジェクトを請け負うことになる」と紹介するなど、中国国内でも報道されていた。
フィリピンと中国の鉄道建設計画に関する交渉は2018年に始まった。ドゥテルテ前大統領は大規模なインフラ投資計画を打ち出し、中国との間で長年続いてきた南シナ海の領有権論争を棚上げにするのと引き換えに、鉄道プロジェクトの融資契約など自国のインフラ整備について、中国から多額の資金援助の約束を取り付けた。
ドゥテルテ前大統領に対しては、中国に対して「弱腰」とする批判も出ていた。マルコス大統領は選挙期間中に、南シナ海の領有権問題で中国に妥協しないとの考えをアピールした。しかしマルコス大統領は中国政府との協力関係を強化する必要があるとも強調している。マルコス大統領の中国関連発言は「二転三転している」と指摘する声もある。(翻訳・編集/如月隼人)
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