北京の百貨店に1粒約1200円のライチ登場、2日で全て売り切れ―中国

人民網日本語版    2022年7月19日(火) 5時20分

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北京の百貨店に1粒約1200円のライチが登場した。

北京市朝陽区にある高級百貨店「SKP」では、旬の果物・ライチが500グラム1049元(約2万1000円)で販売されており、このところ話題を集めている。SKPを取材したところ、この品種のライチは1粒当たり約60元(約1200円)で販売され、陳列されてから2日で売り切れたことが分かった。人民網が各社の報道をまとめて報じた。

先ごろ、あるネットユーザーが、「百貨店で『増城挂緑』というブランドのライチを買おうとしたら、レジで1パック969.28元であることに気付いた。よく見てみると、値段は500グラム当たり1049元と表示されていた」という内容をネットに投稿した。

店員によると、「増城挂緑」という品種のライチは広東省産で、収穫後は北京に空輸されているため、とても新鮮であるほか、果肉がプリッとしていて、その糖度も他の品種よりも高いため、高値になっているのだという。

店員は「1パック1000元ちょっとで、量が少なめの場合は900元台の場合もある。1パックに15~20粒入っており、1粒当たり約60元。早ければ明日にも新たに入荷した品を陳列できるだろう。午前10時開店なので、買いたい人はできるだけ早く来店してほしい」とした。

時代周報の報道によると、2002年に開催されたあるオークションで、広東省広州市増城区で生産された挂緑ライチは1粒55万5000元(約1100万円)という破格の値段で落札され、当時世界で最も高価な果物として、ギネス記録にもなった。

これに対し、中国のネットユーザーからは「挂緑がこうした価格で取引されているのは普通のこと。希少品種で、原産地でもやはりこのくらい高い値段で売られている。地元の人でも挂緑を食べることはほとんどない」といったコメントのほか、「これは楊貴妃に食べさせるためのライチに違いない」といったツッコミ交じりのコメントも寄せられている。

■一度は絶滅しかけた「増城挂緑」

「増城挂緑」は、増城区の特産品で希少品種。熟すと皮が美しい赤紫色になり、その中央に緑色のラインが入っていることから「挂緑」という名が付けられたという。実は大きめでやや平たい形をしており、その果肉はさっぱりとした味わいで、ほのかに甘い香りがして、保存できる期間も長めとなっている。

ある資料によると、400年以上前の文献に「増城挂緑」についての記載があり、その原産地は増城新塘四望崗となっている。その後、清の第7代皇帝・嘉慶帝(1796‐1820)の時代に、ライチに重税が課せられたため、その負担に耐えられなくなった農家が挂緑ライチの木を伐採したとされている。

幸いにも、清の最後の皇帝・宣統帝(1908‐1912年)の時代の末期に、増城の西郊外にある西園寺に一本の古い挂緑ライチの木が残っていた。ただ、あまりにも古い木であったため、1970年に一度は枯れかけ、農業科学専門家が全力を傾けて救援策を施した結果、新たな芽を出し、実を結ぶようになったという。

そして「復活」したその木から、農業技術者が第二世代、第三世代の栽培に成功した。近年販売されている挂緑ライチはいずれもこの古い木の子孫にあたる木になった実だという。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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