リチウム資源の需給ミスマッチはいつまで続くのか―中国メディア

Record China    2022年8月3日(水) 5時0分

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30日、証券日報は、中国でリチウム資源の需要と供給のバランスが著しく崩れている状況について報じた。

2022年7月30日、中国メディアの証券日報は、中国でリチウム資源の需要と供給のバランスが著しく崩れている状況について報じた。

記事は、広州汽車集団の曾慶洪(ゾン・チンホン)会長が先日、自動車用電池のコストが高いことについて「寧徳時代のためにアルバイトをしているようだ」と述べた一方で、自動車用電池大手である寧徳時代の今年1〜6月期純利益が前年同期比で23.62%も減少したことを紹介。業界ではリチウム資源サプライヤーこそが電池産業チェーンでの「勝ち組」であると見られており、リチウム資源を扱う上場企業各社の今年1〜6月期の業績予告で、純利益が前年同期比10倍前後から100倍以上になっていると伝えた。

そして、7月27日の華東地域における電池用炭酸リチウム平均価格が1トン当たり47万9600元で、1月1日の28万2000元から70%上昇したことを紹介した上で、中国有色金属工業協会リチウム業分科会の張江峰(ジャン・ジアンフォン)副会長が7月末に「リチウム価格が高すぎれば、川下産業で多くの代替品が出現することになり業界にとって良いことではない。また、コストの圧力が産業チェーン全体にまで波及することにもなる」と語ったことを伝えている。

さらに、リチウム資源の需給バランスが崩れている大きな理由について、リチウム資源開発プロジェクトでは生産開始まで2〜3年かかり、さらに想定の生産能力に達するまでに2年程度かかるのに対し、川下産業の正極材料や電池の生産ラインは1年以内に整備が可能で、生産が始まれば速やかに想定の生産能力に達するという、プロジェクトサイクルの大きな差が業界内で指摘されていると紹介。「リチウム電池産業チェーンの川上、川下の足並みをそろえることは難しい」と評した。

記事はその上で、中国のリチウム資源企業が生産拡大に乗り出すとともに海外進出を加速しており、海外でのリチウム鉱争奪戦が繰り広げられていると指摘。張氏が「激しい競争の結果高額で鉱山を買い取ることになり、リチウムの価格がさらに上昇している」との見方を示したことを伝えた。また、業界では近ごろ塩湖でのリチウム採掘が脚光を浴びているものの、低コストの代償として開発利用に時間がかかり、プロジェクトの始動から生産開始まで5年程度を要するとした。このほか、業界内では動力電池をリサイクルすることでリチウム資源の供給を保証する動きも出ていると伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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