天然砂輸出の停止、台湾にどのような影響を及ぼすか―中国メディア

人民網日本語版    2022年8月6日(土) 8時0分

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中国商務部は3日、関連の法律規定に基づいて、天然砂の台湾地区への輸出を停止し、関連措置を2022年8月3日から実施すると発表した。資料写真。

中国商務部は3日、関連の法律規定に基づいて、天然砂の台湾地区への輸出を停止し、関連措置を2022年8月3日から実施すると発表した。中国新聞網が伝えた。

砂石(砂と石)は建設工事における最も基本的かつ不可欠な材料だ。建設用の砂は天然砂と機械で製造する人工砂の2種類に大きく分けられる。天然砂には川砂、陸砂、海砂があり、人工砂は原料を機械で粉砕して製造した砂石のことだ。

中国の税関総署が微信(WeChat)公式アカウントでこのほど発表した文章によると、天然砂には主に次の3種類がある。(1)珪砂石と英砂。建設業、ガラス工業、メタルクリーニングなどに使用される。(2)カオリンを含む砂質土。主に鋳型及び耐火物の製造に使用される。(3)長石。主に製陶業で使用される。

国際連合環境計画(UNEP)のまとめた統計によると、世界の砂の使用量は20年前に比べて200%増加した。米放送局CNBCの報道によれば、建設工事だけでも、世界では毎年400億トン以上の砂が使われているという。

半導体産業への影響は?

商務部が台湾地区への天然砂輸出を停止すると発表すると、台湾地区の半導体産業や太陽光発電産業などに影響を与えるのではないかとの声が一部で上がった。

砂は建設分野で用いられるだけでなく、他にもたくさんの用途があり、スマートフォン、ノートパソコン、新型コロナウイルスワクチン用のガラス瓶、さらには半導体の製造でも必要とされる。

福建省のある太陽光発電ガラスメーカーの林加富エンジニアは、「税関総署の天然砂の輸出管理規定に基づくと、対象となる天然砂は建設業で用いられるものであり、精錬や普通ガラス製造などにも用いられ、太陽光発電ガラスの製造に用いる珪砂は二酸化ケイ素の純度に対する要求が非常に高い」と述べた。

北京理工大学材料学院の常帥(チャン・シュアイ)副研究員はさきに、「砂をケイ素材料に変えようと思ったら、砂の中の二酸化ケイ素を変換して純度98%以上のケイ素材料に変え、さらにこの工業用ケイ素の純度をさらに高め、それから純度が基準に達したケイ素材料で単結晶シリコンを製造する。簡単に言えば、高純度の単結晶シリコンしか生産材料にならないということだ」と説明した。

また常氏は、「半導体産業で使用されるケイ素材料の主な出所は川砂ではなく、ケイ素を含んだ各種の鉱石であり、たとえば脈石英、石英質礫岩などがある。こうした鉱石は地球上の埋蔵量が非常に多く、半導体のような先端産業はケイ素材料の使用量が建設業よりはるかに少ない。そのため『砂が足りない』という問題が半導体産業発展のボトルネックになることはない」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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