Record China 2022年8月5日(金) 17時0分
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4日、観察者網は、ドイツの自動車用半導体メーカーが大量の不良品を出したことで、中国の半導体企業にチャンスが巡ってくる可能性があるとする文章を掲載した。写真は現代自動車のIONIQ 5。
2022年8月4日、中国メディアの観察者網は、ドイツの自動車用半導体メーカーが大量の不良品を出して韓国・現代自動車の生産に支障が出ているとし、中国の半導体企業にチャンスが巡ってくる可能性があると伝えた。
記事は、韓国メディアの4日付報道として、現代自動車の電気自動車(EV)IONIQ 5について、搭載する独インフィニオン・テクノロジーズ製半導体に大量の不良品が発生したことで生産停止の危機に追い込まれていると紹介。インフィニオン・テクノロジーズは車載半導体の世界最大手企業であり、同車種向けにバッテリーの直流電源を交流電源に変換してモーターを駆動させるパワーモジュール(IGBT)を提供していると伝えた。
そして、インフィニオン・テクノロジーズがこのほど、最新の生産プロセスを導入した際に不良品が大量に発生し、今年4月初めから6月までに生産したIGBTをすべて廃棄する必要があることを確認したと紹介した上で、IGBTは生産から組み立てまで通常4カ月かかると言われていることから、同車種の生産再開は早くても10月になる見込みだと指摘。現代自動車が「現状では、納品まで12月以上掛かる可能性がある」との見解を示したとしている。
また、同車種は現代グループにとって最初の量産型EV車種で、米国における純EV販売ランキングで5位に入っていると紹介。売れ筋車種の生産停止危機に対し、現代自動車はインフィニオン・テクノロジーズに解決策を探すよう求めているものの、IGBTの納期を短縮することは非現実的だと伝えた。
記事は、この状況が中国の半導体企業にとってチャンスとなる可能性について考察。広州汽車グループの曾慶洪(ゾン・チンホン)会長が今年3月に「わが国の車載半導体自給率は10%未満で、外国に大きく依存している。研究開発技術が薄弱で、生産ラインが不足し、実装・テスト能力も限られている。国産化に向けた環境づくりが不十分で、人材も著しく不足している」と語り、2019年における世界の車載半導体市場における中国ブランドのシェアがわずか4.5%足らずであるという状況を紹介した。
また、製造技術レベルの低さに加えて、先発の海外大手メーカーが大量生産を実現して車載半導体価格が安くなっていることが、中国の半導体メーカーによる車載半導体市場参入への積極性を削いでいると分析した。その一方で、半導体の安定的な確保を目指して中国の自動車メーカーが自ら半導体生産を手掛けるケースも出ており、BYDは02年から車載半導体市場に参入しているとしたほか、複数の中国半導体メーカーが徐々に実力をつけ、中圧・低圧のIGBT製品技術でブレイクスルーを果たしたほか、一部メーカーは高圧IGBT生産能力を手に入れたと伝えている。
その上で「インフィニオン・テクノロジーズは中国におけるIGBTの最大サプライヤーである。今回の大規模な廃棄トラブルは、中国の半導体メーカーにとってもチャンスだ」と結んだ。(翻訳・編集/川尻)
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