Record China 2022年8月7日(日) 14時0分
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5日、環球網は、ペロシ米下院議長の台湾訪問に対し中国政府が打ち出した対米制裁8項目について「どのような影響が生じるか」とする記事を掲載した。
2022年8月5日、中国メディアの環球網は、ペロシ米下院議長の台湾訪問に対し中国政府が打ち出した対米制裁8項目について「どのような影響が生じるか」とする記事を掲載した。
記事は、中国外交部が5日、強い反対と抗議にもかかわらずペロシ議長が訪台を強行したとして、米中両軍の戦区リーダー間の通話、米中国防部のワーキング会合、米中海上軍事安全交渉メカニズム会議の取り消し、米中不法移民送還協力、米中刑事司法支援協力、米中国際犯罪取り締まり協力、米中禁止薬物協力、米中気候変動交渉を一時停止する制裁を発動することを発表したと紹介した。
その上で、軍事分野の3項目について軍事専門家の宋家忠(ソン・ジアジョン)氏が「3項目は米中軍事交流の重要な構成部分。今回の制裁は、米中間の軍事的相互信頼が谷底まで落ち込んだことを意味する。そして、台湾問題が中国の核心的な利益に関わるとともに、米中関係発展の礎でもあり、米国がこのボトムラインに抵触すればあらゆる交流や相互信頼が失われることを改めて示した。両国の軍事交流が途絶えれば、どんな摩擦も起こりうる」と語ったことを伝えた。
また、中国社会科学院の米国問題研究家・呂祥(ルー・シアン)氏が「米中両軍は長きにわたり、地域の安全問題で一定の意思疎通を保ってきたが、この意思疎通が米国による中国内政への干渉を止めさせることにつながらないことが分かった。今回のペロシ氏を乗せた飛行機や一連の安全保障は米国国防総省が提供したもので、米軍が中国の主権や安全を侵害する行為に及ぶ中で、もはや米中両軍の交流は意味を持たなくなった」と解説したことを紹介している。
さらに、非軍事分野の交流5項目を一時停止したことについて、復旦大学米国研究センターの信強(シン・チアン)副主任が「影響は中国よりも米国のほうが明らかに大きい。特にバイデン大統領が就任以降目立った成果を挙げている気候変動分野では中国の協力、サポートが不可欠だった。不法移民の送還や禁止薬物なども米国では注目度の高い社会問題であるとともに、中国による実質的な影響が大きかった」との見解を示したことを伝えた。
記事は最後に専門家の分析として、ペロシ議長の訪台が米中関係をさらに悪化させるマイルストーンになりうるものの、これで終わりではなく、さらなる関係悪化に伴って両国が互いに制裁を発動しあう可能性が高まり続けることになると伝えている。(翻訳・編集/川尻)
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八牧浩行
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