Record China 2022年8月24日(水) 5時0分
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20日、中国新聞網は、中国で「ブドウ界のエルメス」と称されてきた高級品種シャインマスカットの価格が大きく下落していると報じた。
2022年8月20日、中国メディアの中国新聞網は、中国で「ブドウ界のエルメス」と称されてきた高級品種シャインマスカットの価格が大きく下落していると報じた。
記事は、「ブドウ界のエルメス」と称され、500グラムで100元(約2000円)以上の高値で販売されていたシャインマスカットが、近年では「神の領域」から転落し始めており、スーパーマーケットではほかの廉価な品種と一緒に陳列されるようになったと紹介。北京市のある消費者が「2年ほど前は500グラム40〜50元で(約800〜1000円)で売られていたが、最近では近所のスーパーで20元(約400円)以下の値段で売られているのを見た」と語り、同市内の多くのスーパーでも同じような値段で販売されているほか、ネット上でも10〜30元(約200〜600円)という価格が付けられ、中には「9.9元で売っていた」という情報まで出ていると伝えた。
その上で、中国果物流通協会の魯芳校(ルー・ファンジャオ)会長が「日本から品種が伝わって来た時は生産量が少なく新鮮味があり、その食味の良さも相まって自然と価格が高騰した。それが時間の経過とともに栽培面積が増え、供給量が増加したことで全体的な価格も下がっていった」と説明したことを紹介するとともに、ある市場機関が発表した統計で中国におけるシャインマスカット栽培面積が2016年の約1万5000ヘクタールから21年には3倍以上の約4万6800ヘクタールまで増えたことを紹介している。
一方で、魯会長の話として、シャインマスカットの全商品が値崩れしているわけではなく、一部では依然として500グラム50元(約1000円)以上で販売されているケースもあると指摘。多くの消費者からは「品質が以前よりも悪くなった」「前は値段が高かったが、その分皮も薄くて種もなく、食感がいい上に香りも濃かった。今ではちまたにシャインマスカットがあふれているが、皮がとても厚くなった」との声が寄せられており、中には「流通している多くのシャインマスカットはニセ品種ではないか」との疑念さえ巻き起こっていると伝えた。
栽培面積が増えたことで価格が下落し、一般消費者にも手が届くようになった一方で、大量生産に伴って品質が低下した商品が大量に流通するようになり、中国のシャインマスカット業界には「高品質高価格」と「安かろう悪かろう」の二極分化が生じているようだ。
記事は、中国農業科学院果樹研究所の曹永生(ツァオ・ヨンション)所長が「重要技術や製品の研究を持続的に実施し、簡便、良質で効果の高い栽培技術体系を構築し、果樹産業の質の高い発展を推進する必要がある。果物やその加工品の商品的品質、風味上の品質、栄養上の品質を高め、果物の良質化、高価値化、ブランド化を進めなければならない」と語ったことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)
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