高齢化のピークを迎える中国、20年後に雪崩式の年金赤字が発生―中国紙

Record China    2014年6月23日(月) 7時0分

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20日、中国でも高齢化が進み、20年後には年金の赤字問題が起きるとみられている。写真は中国の高齢者。

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2014年6月20日、中国証券報によると、中国の当面の基礎年金収支は赤字に陥っておらず、黒字を計上しているほどだ。しかし、専門家は「中国では高齢化が加速しており、年金支払いのピークを迎えようとしている。2030年ごろには年金支払いは巨大な圧力に直面する」と指摘した。今後30〜50年以内に年金問題が中国の経済・社会の発展を制約するボトルネックになる。中国は年金基金を補充するルートを開拓するほか、運営管理体制の改革を急ぎ、多元的なルートによる積立金の維持と拡大を実現する必要がある。

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◆年金の赤字問題、20年後に発生か

中国老齢事業発展基金会の報告書によると、中国では高齢化が加速している。2020年には高齢者の人口は2億4800万人に達し、高齢化率は17.17%に達する。そのうち80歳以上の高齢者が3067万人に達し、高齢者全体の12.37%を占める。2050年には60歳以上の高齢者が全体の31%を占める見通しだ。

中国証券監督管理委員会研究センターの祁斌(チー・ビン)主任はこのほど、「中国の年金収支は全体的に見て黒字ではあるが、これは実際には偽りの姿でる。各省の年金状況には差があり、一部の省はすでに赤字を計上し始めている。現行の年金制度を続ければ、赤字問題は20年後に目立つようになる。年金は2033年ごろに最大の危機を迎える。この臨界点突破後、社会全体で雪崩式の年金赤字が発生する」と指摘した。

中国人民大学中国社会保障研究センター教授の鄭功成(ジョン・ゴンチョン)氏は、「経済成長率、人口増加率、現行の制度の適度な調整などさまざまな要素が未来の収支を左右することになる。これらの要素に変化があれば、未来の赤字に対する予想にも変化が生じる」と語った。

◆早急な運営管理メカニズムの改革が必要

間もなく訪れる年金支払いの強い圧力に対しては、定年退職年齢の引き上げなどが提案されているが、これは根本的な解決策ではない。年金収支の問題を徹底的に解決するため、中国は年金基金を補充するルートを開拓する必要がある。鄭氏は社会年金保険制度改革の全体目標について、次のように提案した。2020年までに従業員基本年金保険、公職者基本年金保険、住民基本年金保険によって構成される法定年金保険制度を形成し、その他の補充的年金保険も共同で役割を発揮し、都市部・農村部の90%以上の保険加入適齢人口をカバーし、定年退職者全員に対して公平かつほぼ同水準の年金を提供する。

一部の国有資産の移転により、社会保障基金を補充する措置が、中央政府によって確定されている。中国社会科学院世界社会保障研究センターの鄭秉文(ジョン・ビンウェン)主任は、「年金基金の資金源の支柱として、全国社会保障基金理事会の規模は少なくとも2倍になり、積極的に資金調達ルートを開拓し、安定的な積立を実現しなければならない。国有資産の移転も加速する必要がある」と分析した。

より重要なのは、年金運営管理体制の改革の加速、多元的なルートによる積立金の維持と拡大だ。祁氏は「年金赤字の問題を最終的に解決するためには、個人金融資産の拡大を経済成長に追い付かせなければならない。これこそが市場化された解決策だ。米国の年金基金の分散投資は参考にできる」と述べた。

複数の部門は先ほど、未来の年金は複合的な投資で運営されると表明した。関連部門は現在、年金の多元的な投資ルートについて検討しており、同改革の制度を検討している。また、関係者の意見に積極的に耳を傾け、研究と論証を進めている。(提供/新華網日本語版・翻訳/張一・編集/TF)

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