2022年9月3日、中国のポータルサイト・百度（バイドゥ）に、「中国製のインドネシア高速鉄道はまもなく開通するが、日本製のインド高速鉄道は2028年まで待たなければいけないのか？」とする文章が掲載された。

文章はまず、「中国からインドネシアに輸出するため山東省の青島を出発した高速鉄道列車が9月1日、ジャカルタ港に到着した。列車は東南アジア初の高速鉄道で、中国の技術により建設が進んでいるジャカルタ―バンドン高速鉄道に用いられる。同鉄道は来年6月に開通する見込みだ」と説明した。

その上で、「ジャカルタ―バンドン高速鉄道は当初、中国ではなく日本が受注しかけていたプロジェクトで、逆転して勝ち取ったものだ。わが国の高速鉄道の海外進出に当たり、日本がライバルとなってきたのはよく知られている。そして、われわれはインドネシアの高速鉄道で勝利した一方で、インドの高速鉄道プロジェクトでは日本に敗れた。しかしインドの高速鉄道は着工してからすでに久しいのにまだ10キロ程度しか工事が進んでいない」とし、「言ってみれば、日本は2回負けたのである」と論じた。

また、「わが国がジャカルタ―バンドン高速鉄道プロジェクトを正式に受注すると、日本はインドでの受注争いで挽回を図った。インドは中国と契約を結ぼうとしていたが、当時の首相だった安倍晋三氏がわが国に倣ってモディ首相を日本の新幹線に乗せてアピールしたほか、5兆円を年利0．1％、償還期限50年という融資を提案し、日本が土壇場でわが国を逆転して受注した」と説明。

続けて、「ところが、当初は22年に完成する予定だったにもかかわらず、現時点で工事が10キロほどしか進んでおらず、完成予定は28年までずれ込んだ。日本が建設用地の取得に膨大な費用と労力、時間がかかることを認識していなかったことに加え、新型コロナで工事が停止したことが大きな原因だ。遅延により予算はどんどんかさんでいき、完成予定もどんどん先に伸びている状況なのである」とした。

文章は「この件に関してわれわれは『損をせずに済んだ、ありがとう』と言うべきなのかもしれない」と皮肉交じりに伝えている。（翻訳・編集/川尻）