人民網日本語版 2022年9月25日(日) 23時0分
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貴州省にある500メートル口径球面電波望遠鏡の高速電波バースト観測で一連の成果があった。
中国科学院国家天文台の発表によると、同天文台や北京大学などの科学研究者からなる研究チームが、貴州省にある500メートル口径球面電波望遠鏡(FAST)を利用し、宇宙の「20201124A」と呼ばれる高速電波バーストの動的変化プロセスを観測し、重要な科学研究成果を手にした。この成果は北京時間21日に国際的な学術誌「ネイチャー」に掲載された。中央テレビニュースが伝えた。
高速電波バーストは宇宙でまれに発生する電波天文現象。数ミリ秒内に高速電波バーストが放出するエネルギーは、全世界の数百億年の発電量に相当する。高速電波バーストは2007年に初めて発見され、現在まで数百回観測されている。
科学研究チームは「20201124A」に対する3カ月弱にも及ぶ観測において、この高速電波バーストの1863回の爆発を確認した。また、現時点で最大の高速電波バースト偏光観測サンプルを取得し、かつその物理的性質の変化を分析した。研究により、高速電波バーストの放射から非放射への変化が極めて速く、72時間内に非常に強い電波爆発状態から電波爆発がない状態に変化していることが分かった。これはすなわち高速電波バーストの消滅現象だ。
さらに科学研究チームは、高速電波バーストの宿主が銀河系とサイズが近く、金属を豊富に含む棒渦巻星雲であり、かつその所在エリアの恒星の密度が比較的低いことを発見した。これはこの高速電波バーストが大質量恒星の異常爆発による非常に明るい超新星、もしくはガンマ線バースト後に形成された若いマグネターを起源としないことを示した。
中国科学院国家天文台の研究員で、北京大学物理学院の教授である李柯伽氏によると、科学研究チームは「中国天眼」(FAST)の高い感度により、高速電波バーストの動的変化プロセスを初めて観測し、整った動的変化画像を形成した。この一連の成果は、未来の科学者が高速電波バーストの物理的特性を理論的に研究するための重要な観測資料になるとしている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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