福建省関係者が「福の文化」の浸透やエコ文明の効果を強調

Record China    2022年10月21日(金) 10時30分

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中国共産党福建省委員会の常務委員で、同委宣伝部長を務める張彦氏は記者会見で、福建省における「福の文化」の浸透や同省で力が入れられているエコ文明がもたらした効果などを強調した。写真は福建省内で撮影。

中国共産党福建省委員会の常務委員で、同委宣伝部長を務める張彦氏は、同党全国代表大会に伴って18日夜に行った記者会見で、福建省における「福の文化」の浸透や同省で力が入れられているエコ文明がもたらした効果などを強調した。

張部長によれば、福建省には世界文化遺産4カ所があり、国連無形遺産プロジェクト8件、国家級無形遺産プロジェクト145件が進められている。世界遺産の数や無形文化遺産のプロジェクト数などは、いずれも全国上位だ。また、福建省は中国で唯一の「福」の字を冠した省であり、省内には福州、福清、福安、福鼎といった「福」の付く市や県も多い。「福文化」は福建省の人々のあらゆる面に浸透しているという。

なお、「福文化」は福建省だけでなく、中国で昔からから伝わってきた「福」を重んじる考え方を指す。儒教で最も重要な書物の一つとされる「尚書」では、「長寿」、「富」、「健康」、「徳を修めること」、「天寿を全うすること」が「五福」と説かれている。長寿や健康だけでなく、「徳を修める」と、向上心も重視されていることが特徴だ。

張部長は福建省の状況について、西は武夷山脈、東は広大な海に面しており、「山水の画廊、人の世の福地」と呼ばれていると説明。また、同省は2016年に中国初のエコ文明試験区となり、エコ文明指数は年連続で全国上位になっているという。張部長はさらに、同省では生態系の安定性や持続可能性、生物多様性が効果的に維持されており、エコ文明試験区としての39項目の改革成果は中国全国で応用されていると述べた。

環境面については、同省都市部では大気優良日数の割合が99.2%に達し、主要河川12本の優良水質の割合は97.3%に達しているという。福建省の土地面積は中国全国の約1.3%で、エネルギー消費は同2.9%だが、域内総生産は中国全国の約4.3%で、限りある資源を有効活用する「グリーン発展」が大いに進められている。

福建省は今後も、エコ優先とグリーン発展を堅持し、二酸化炭素など地球温暖化物質について、差し引き排出量を減少に転じさせる「カーボンピークアウト」と、排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を省の建設に組み込んでいく。

そのためには、グリーン生産やグリーンエネルギー産業を育成し、さらに従来型産業のグリーンモデルへの転換を加速する。張部長は、良好な環境を実現させた状況を「福建省では、呼吸する空気すらもが甘い」と表現。さらに「空が青く地は緑に覆われ、水が澄む美しい環境は福建省の“名刺”」と述べ、その名刺がさらに輝くようにしていくと論じた。

張部長は記者会見場でカメラに向かって「福建省に来て状況を見ていただきたい。福建省を歩いていただきたい。すがすがしい福建省を体感し、伝統文化の奥深さとこの時代の精神の結合が生み出す無限の魅力を体感していただきたい」と呼び掛けた。

福建省の陸地面積は約12万1400平方キロで、中国の31ある省レベル行政区画(香港、マカオ、台湾はふくまず)のうち第23位。2020時点の人口は4154万人で同第15位。2021年の域内総生産(GDP)は4兆8810億元(2022年10月20時点の為替レートで約101兆円)で同第8位。

中国文化の中核は現在の河南省は陝西省を指す中原地帯の文化とされるが、福建省が最終的に中原地帯の王朝に組み込まれたのは漢の武帝(在位:紀元前141-同87年)の時代だ。そのため独自の文化の特色も残す。一方で、福建省の伝統音楽で現在も盛んな南管は、遠い起原の一つが周代(紀元前1100年ごろ-同256年)に上流階級の家庭で演奏された音楽とされるなど、中原の極めて古い文化の痕跡が残している場合もある。(翻訳・編集/如月隼人


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