小島康誉 2022年10月29日(土) 16時0分
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写真は鳳凰・瑞雲・白虎なども織り込まれた「五星出東方利中国」錦。
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日中国交正常化50周年を迎えた。祝賀ムードは両国ともに殆どない。残念ながら関係は冷え込んだまま。改善に向けて明るい兆候を探したい。筆者が日本側隊長を務めた「日中共同ニヤ遺跡学術調査」(中国国家文物局批准・日本文科省助成)が「五星出東方利中国」錦を発掘したのは1995年のこと。50周年に合わせるかのように27年の時をへて、中国で多々報じられた。百度「一錦千年:“五星出東方利中国”里的民族交融史」、中国新聞社「小島康誉:“精絶国”是如何重見天日的?」などである。「1995年中日調査隊が発掘。20世紀中国考古学で最も偉大な発見」などと記された。中国ネット多数に転載された。明るい話題だ。
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「日中共同ニヤ遺跡学術調査」は1988年に始まった。五大精神「友好・共同・安全・高質・節約」のもと、双方隊員がリスペクトしあって奮闘した。ニヤ遺跡は中国新疆タクラマン沙漠南沿いの国道315号の小都市・民豊から沙漠へ約100km北上した一帯に残る、『漢書』記載の西域36国「精絶国」である。「五星出東方利中国」錦は約二千年前の西域(現在の新疆ウイグル自治区一帯)と中原王朝との文化・経済・政治などでの密接な関係を示す重要文物。
国家文物局などより、1996年には「1995年中国十大考古新発見」、2001年には「20世紀中国考古大発見100」、2002年には「出国(境)展覧禁止文物」、2021年には「中国考古学百年百大発見」に選出された。またCCTVの大型番組「国家宝蔵」などでも度々取り上げられた。更に今年2月北京冬季オリパラに合わせて大型創作歌舞「五星出東方」が北京の国家大劇場で公演され、日本をふくむ内外記者多数が招待された。5月まで故宮博物院で開催された「何以中国」でも展示された。7月には習近平国家主席が新疆博物館で「五星出東方利中国」錦に見入り、文化財の保護・広報の重要性を指示した。
上記「一錦千年…」抄訳は「漢代の絹織物『五星出東方利中国』が現代に語ること―中国で改めて紹介記事」と題してレコチャで、「小島康誉…」抄訳は「日中が協力・調査した精絶国 貴重な国宝も発見」と題してヤフーで配信された。日中これからの50年に向けて「友好・理解・共同」を一歩一歩進めたい。
●小島康誉(こじまやすたか)
浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。ブログ「国献男子ほんわか日記」<新疆は良いところ>小島康誉 挨拶―<新疆是个好地方>書籍はこちら(amazon)小島康誉氏コラム
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