中国のiPhone工場、コロナで従業員大量脱出の詳細―独メディア

Record China    2022年11月3日(木) 13時30分

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1日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは、iPhoneの受託生産を行っている河南省鄭州市のフォックスコン工場で発生した従業員の大量逃亡について詳細な経緯を報じた。

2022年11月1日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは、iPhoneの受託生産を行っている河南省鄭州市のフォックスコン(富士康)工場で発生した従業員の大量逃亡について詳細な経緯を報じた。

記事は、フォックスコン内部関係者に取材した中国メディア・第一財経の10月31日付文章を引用。内部関係者の話として、工場内では10月中旬以降新型コロナの感染対策措置において、影響を受ける従業員の数があまりにも増えたため隔離場所が不足し、物資の配送も遅れたほか、PCR検査などの検体採集者が不足したことなどにより混乱が発生したと伝えた。

そして、フォックスコンが10月13日に工場外から通勤していた従業員を工場エリア内の宿舎に寝泊まりさせた上でのクローズドループ管理を開始し、19日には各棟に検査スポットを設置し、その後食堂も閉鎖して従業員の動線を制限し、N95マスクの装着と24時間以内の陰性証明携帯を義務化、21日には1日にPCR検査と抗原検査の両方を実施する体制を取ったと紹介。しかし感染状況は改善されず、不便な生活を強いられた従業員の不満が徐々に募り、根拠のない流言まで出回り始めたとしている。

さらに「その後、想像を超える事態が発生した」とし、河南省の各都市が29日、鄭州工場で働く地元出身の従業員に対して「帰省を受け入れる準備ができている」とのメールを配信し、その日の午後に従業員が「集団帰郷」する様子がネット上で「生中継」されるに至ったと紹介。この状況について、中国新聞社など中国政府系メディアも珍しく取り上げ、工場から従業員たちが数十キロ、さらには100キロもの道のりを歩いて帰省する現象を報じたとしている。

従業員が工場から続々と脱出する流れを食い止めるべく、フォックスコンはデジタル製品事業群の責任者が10月31日に「現時点で重症者は出ておらず、政府の強力な支援のもとで感染状況は落ち着いている。工場内の食堂も徐々に再開しており、20万人分の一日3食の食事が確保されている」とコメントするなど、工場内の感染状況や秩序が落ち着いていることをアピールしているものの、それでも従業員の徒歩による帰省の流れは止まっていないと記事は伝えている。

また、内部関係者が「従業員も仕方なく歩いて故郷に帰ろうとしている。感染に対する恐怖に加え、会社からの情報が不足していること、そして感染対策のための交通規制が原因だ」と語る一方で、「ネット上では工場内の動画や画像が大量に拡散しているが、都合のいい部分だけを切り取ったような一方的で事実に反する情報もある。内部から見る限り、会社も改善に向けて努力している」と述べたことを紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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