人民網日本語版 2022年11月6日(日) 18時0分
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カロリー計算や感情の点数化など、中国の若者が「数値化生活」に熱中する理由は何だろうか。
生活を数値でとらえる若者が増え続けており、そしてその新しいスタイルは「数値化生活」と名付けられた。人生目標の数値化や正確な時間管理によって、人生目標が明確になり、人生も着実にコントロールできる感覚を与えてくれているが、「人間の生活を完全に数値化することは可能だろうか?」という哲学的な議論も呼び起こしている。
女性の李さんは毎晩、睡眠をモニタリングするブレスレットをつけて眠りに就く。眠り始めた時刻、ノンレム睡眠の長さ、レム睡眠とノンレム睡眠の周期、心拍数と血中酸素濃度など、これらの数値化されたデータが、彼女の行動や感情に影響を与えるという。
栗軒さんはダイエットを目標にした時から、1日の摂取カロリーを1500キロカロリーに抑える「食事修行」を始めた。食事のたびに食べ物の重さをはかり、1食分のカロリー摂取量を正確に計算し、健康モニタリングアプリに記録して、3回の食事で1500カロリー以内に抑えるよう食事プランを立てる。
Jojoさんは最近の恋愛関係で疲れ果てたことから、感情に点数をつけるモデルを考え出した。100点満点の計算モデルで、主観的な好きの程度と理性的な自分のニーズをそれぞれ50点として計算する。Jojoさんは以前、当時付き合っていた彼氏に点数を付けたことがある。パートナーとしては4点、安全感は5点、信頼感は3点がついた。生理的ニーズは5点、物質的側面は5点。好きの程度は45点だったが、全体の合計では67点にとどまった。「しばらくして、もう一度点数をつけてみたら、60点に届かなくて不合格だった。それで最終的に別れる決心がついた」とJojoさん。
感情を数値化するのは女性の専売特許ではない。男性の中には感情を本能的に数値化する人もいる。Jojoさんは、「最終的に好きでもない女性と結婚した男友達がいる。『自分のすべてを受け入れる』『理解してくれる』『食事を作ってくれる』など、彼はその女性について感情以外のプラス部分を明確に挙げることができる。感情に関して、男性はより理性的で、より数値化が得意だと思う」と話した。
中国人民大学新聞学院の彭蘭教授は、「データ化された生存:数値化・客観化された人と人生」と題した文章の中で、「人間を全面的にデータ化することに対して、私たちは『人間の本質は何か?』ということを哲学的に再考する必要もある。人間のデータ化は高効率で正確なサービスと管理をある程度もたらしてはくれるが、人間が固有の体験や豊かな境遇を擁する生命と見なされなくなり、単純で乱暴な数値化の対象とされるか、計算のための画一的な数字とされる場合が多く、『人間本位』から『数字本位』へと徐々に変わる可能性がある。人間を数値化する指標は増え続けているが、データが人間を完璧に反映できるということではないし、人間の全てをデータによって形作れるということでもない。人間の本質や属性の中には、データに変換できないもの、あるいはデータに変換すべきではないものが確かにある」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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