日本人女性はなぜ大都市を離れられないのか―中国メディア

Record China    2022年11月18日(金) 22時0分

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中国メディアの三聯生活週刊は11日、「東京から離れられない女性たち」と題する記事を掲載した。

中国メディアの三聯生活週刊は11日、「東京から離れられない女性たち」と題する記事を掲載した。

記事は、地方の活性化と人口減対策のために2014年に安倍内閣が打ち出した「地方創生」によって、日本の各自治体が雇用の創出をはじめとした施策をとってきたことを紹介。新型コロナ禍以降は、「東京でたびたび緊急事態宣言が出され、疫病下の都市機能への不安と、ネットサービスの大規模導入により東京から離れて仕事ができるようになったことで、若者の間に一時的に『地方回帰』の志向が出てきた」と指摘した。

総務省のデータによると、21年の東京への転入数は42万167人で、統計を取り始めた14年以降で最少となった。また、去年の東京からの転出数は41万4734人、東京で最も人口が集中している23区では転出数が転入数をおよそ1.5万人上回り、20年までに東京首都圏で転出数が転入数を超過することを実現するという「地方創生」が掲げられた当初の目標を部分的に達成した格好だ。

記事は、「この『東京を出て、地方へ』という風潮の中で、日本のメディアが注目しているポイントがある」とし、性別で見ると21年の東京の男性転入数は22万2220人、転出数は22万3564人だった一方で、女性の転入数は転出数よりも6777人多かったことを指摘した。また、女性の転入者の年齢層は20〜29歳が52.8%と最も多く、30〜39歳の18.8%と合わせて全体の70%を超えたことを挙げ、「その背景には、東京に出てきた女性の一部は就学期、一部はキャリアの黄金期にあるという実態がある」とした。

記事は都会で暮らす女性について、「教育面では、多くの日本の小さな地方では、少子化高齢化のせいで、教育施設が高校までしか合うところがなく、若者が進学しようとするなら、より大きな都市に向かわなければならない」とし、「勉学は男性にとっても女性にとっても同じだ。しかし、卒業後に就職する際、高学歴の女性は地方に就職することが難しい。一方、東京は国際的な大都市として、日本中で最も多様性のある職場環境を持っている。そのため、東京に残った後、地方へ帰る意欲が湧きにくくなっている」とした。そして問題点として「地方の産業構成が大都市とは大きく異なる。上京した女性の6割以上が地方で希望する職業を見つけられず、自己実現を果たせない」と指摘。「大きな都市ほど女性に優しい職場環境や仕組みになっているため、東京を離れられない女性たちは『帰らない』のではなく『帰れない』のだ」と分析した。

また、「地方の社会であればあるほど、男性中心の社会であればあるほど、職業や職場のニーズ、社会関係の構造においても、男性を主に雇用する傾向が強くなる」とし、「ここ数年の間に日本各地で出会った都会を離れた若い女性の多くは、スーパーのレジ係、ホテルの従業員、老人ホームの介護などの仕事をしていた。しかし、本当にこの生活が好きなのか、どのくらいの間好きでいられるのか、私たちに知るすべはない。唯一確実なのは、そうした仕事は一時性に満ちていて、長期的な雇用の不安定の中にある」と指摘した。

さらに、「『地方創生』の究極の目標は、日本の深刻化する少子化を解決することであり、地方に若い女性を呼び戻し、新たに人口を生み出すことにも期待を寄せている。そのため、地方に戻ってきた若い女性の多くは、職場環境の欠如どころか『出産以外は何もするな』という雰囲気が漂っていることに気づくのだ」とし、「家庭に身を捧げることが悔しくて仕方がない女性にとっては、避けようのない警告のサインであることは明らかだ」と論じた。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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